親権
知っておきたい
離婚後の親権のこと
小さな子供のいる夫婦にとって、「離婚後、子供の親権をどちらが持つのか」という問題はとても重大な判断になるでしょう。親権は夫婦間の協議のなかで決まれば大きな問題に発展することは少ないかもしれませんが、夫と妻いずれも親権を求めた場合、話し合いで決着がつかなくなると離婚調停で親権を争うことになります。
話し合いで親権が決まらない場合は離婚調停へ
夫婦間に未成年の子供がいる場合、親権者を決定しなければ離婚することはできません。日本では離婚を望む夫婦の9割ほどが協議離婚(当事者間の話し合いで離婚を決めること)であるため、親権についても夫婦間の協議で決定できれば大きな問題に発展する可能性は低いでしょう。しかし、夫と妻がいずれも子供の親権を求めており、どうしても折り合いがつかない場合、家庭裁判所に離婚調停の申し立てを行い、法廷で親権を争うことになります。
離婚調停を家庭裁判所に申し立てた後は、月1回ほどのペースで調停が行われ、ほとんどの場合は3回ほどで終了します。調停には収入印紙代や切手代といった事務的な費用が発生しますが、せいぜい2,000円程度でしょう。ただし、弁護士に代理人に依頼する場合には、その報酬として、それなりの費用が必要となります。
親権を勝ち取るには?
離婚調停で親権が認められるには、子供にとって父と母のどちらと一緒に暮らしていくのが幸せかという点がもっとも重要視されます。具体的には、次のような項目が確認されます。
・子供への愛情
・子供と過ごせる時間の長さ
・子供の年齢と本人の意思
・親の心身の健康
・周囲の生活環境
子供を十分に養えるだけの経済力も当然必要ではありますが、たとえば勤め先で非正規雇用の母親が親権を持つことになる場合でも、父親からの養育費の支援があれば経済力の問題はカバーできるため、親権獲得に際して決定的な要素にはなりえないこともあります。
実際、離婚調停で親権を争う場合、最終的に母親に親権が認められるケースがほとんどと言ってよいでしょう。統計上、父親が親権を獲得することは難しいと言えますが、可能性がまったくないというわけではありません。たとえば、母親の精神状態が不安定であったり、夫婦の別居中に母親が子供を置いて家を出て行ったりという客観的事実があれば、父親に親権が認められる可能性はあります。
親権が勝ち取れなかったときは……
結果的に親権が得られなかった場合は、せめて「面会交流権」を確保しておきましょう。たとえば母親が親権を獲得したときには、母親の自己都合で元夫に子供を会わせたくないというケースも珍しくありません。しかし、子供自身が父親に会いたいと望むのであれば、いくら母親でもそれを阻止する権利はないでしょう。親権者が決まった後に口頭で約束しただけでは、うやむやにされてしまう可能性もありますので、離婚調停の際に法的に有効な書面を交わして面会交流権を確保しておくことをおすすめします。
離婚調停を家庭裁判所に申し立てた後は、月1回ほどのペースで調停が行われ、ほとんどの場合は3回ほどで終了します。調停には収入印紙代や切手代といった事務的な費用が発生しますが、せいぜい2,000円程度でしょう。ただし、弁護士に代理人に依頼する場合には、その報酬として、それなりの費用が必要となります。
子供との新生活がスタート。ローン返済中のマイホームはどうする?
これまで一家全員で暮らしていたマイホーム。離婚したものの住宅ローンの返済が残っているため、家を出る夫がローンを払い続け、妻と子供はその家に暮らし続けるという選択肢もあるでしょう。
しかし、今後、夫の支払いが滞るリスクなどを想定し、「任意売却」という方法で家を手放すこともできます。任意売却すると、家を売却したお金で住宅ローンの残債を一括返済し、残債が残った場合も無理のない計画で返済していくことが可能です。離婚時は決めなくてはならないことが山積みになりますので、任意売却を検討する場合は、なるべく早めの行動をおすすめします。
この記事の監修者情報
- 監修者
- 斎藤 善徳(さいとう よしのり)
- 不動産業界歴
- 約20年
- 担当した任意売却数
- 200件以上
- 保持資格
- 宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
- 著書
- 運営会社:
- 千里コンサルティング株式会社
- 本社オフィス:
- 〒534-0021 大阪市都島区都島本通4-22-4 2階
- 電話番号:
- 06-6180-9111 FAX:06-6180-9177
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- 0120-15-2020
そもそも親権とは?
親権は、子供の身の回りのお世話をする「身上監護権」と、子供の財産を管理する「財産管理権」の2つに分けることができます。離婚に際してこれらの権利を夫婦で分割することもできますが、よほど特別な事情がない限りは、どちらも片方の親が受け持つのが一般的です。
また、子供が複数人いる場合は、それぞれの子供に対して親権者を定めなくてはなりません。たとえば夫婦の間に2人兄弟がいる場合、父親が長男の親権を持ち、母親が次男の親権を持つというように、別々に指定することが可能です。なお、離婚時に子供がすでに成人していたり、未成年でも結婚していたりする場合には、親権者を定める必要はありません。