連帯保証人
住宅ローンの連帯保証人に
なっていたらどうする?
数年前に購入した、憧れのマイホーム。しかし、住宅ローンの返済中に離婚が決まり、今後マイホームをどうするかお悩みではありませんか? 改めて住宅ローンの契約内容を確認してみたら、自分が連帯保証人になっていた!なんてこともあるでしょう。
夫婦間の連帯保証に関する問題は、離婚後のトラブルのもとです。後腐れないよう、離婚が成立する前にきちんと対策をしておきましょう。連帯保証に関する、よくあるご相談に専門アドバイザーがお答えします。
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夫が組んだ自宅のローン契約を確認したところ、私が「連帯保証人」となっていました。連帯保証人と保証人はどのような違いがあるのでしょうか?
Aさん(35歳/女性)からのご相談
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専門アドバイザーからの回答
住宅ローンを申し込んだ本人(債務者)の支払いが難しくなった場合に、負うべき責任の度合いが異なります。
「連帯債務」と「連帯保証」はどう違う?
連帯保証と間違えやすいのが「連帯債務」。連帯債務の場合、夫婦の収入合算で住宅ローンを借り入れ、たとえば夫を主債務者、妻を連帯債務者として共同でローンの返済義務を負うことになります。つまり、どんな状況下においても、金融機関から同等に支払いを請求されるのです。
一方、連帯保証の場合は、あくまで金融機関に対する債務者は夫だけですから、債務者の返済が滞った際には連帯保証人にも請求されるものの、基本的には債務者に支払いが請求されます。
なお、離婚を理由に妻が連帯債務者からはずれたいという場合も、連帯保証と同様に金融機関の承認が必須です。
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離婚することになりましたが、自宅はまだローンの返済中です。私は住宅ローンの連帯保証人になっています。離婚を理由に連帯保証人をはずれることはできますか?
Bさん(48歳/女性)からのご相談
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専門アドバイザーからの回答
基本的には難しいとお考えください。ただし、まったく不可能というわけではありません。
--もっとくわしく解説!--
住宅ローンを完済していない場合、離婚だけを理由に住宅ローンの連帯保証人をはずれることは基本的に難しいと言えます。原則として、連帯保証人をはずれることができるのは、ローンを完済したタイミングだからです。しかし、それ以外にまったく手段がないわけではありません。住宅ローンの返済中に連帯保証人をはずれるための方法としては、次の3パターンが考えられます。
【1】住宅ローンを借り換える
現在、組んでいる住宅ローンを夫の単独名義で借り換えることができれば、Bさんは連帯保証人からはずれることができます。ただし、夫の収入だけで金融機関の審査が下りなければ当然、借り換えはできません。
【2】別の人に連帯保証人を代わってもらう
Bさんの代わりになる連帯保証人を探して交代できれば、連帯保証人からはずれることができます。とは言え、連帯保証人には債権者と同等の支払い義務が課せられるため、引き受けてくれる人を見つけるのは簡単ではないかもしれません。夫側の親族など、離婚を含めた内情を理解してくれて、かつ経済的に余裕のある人を説得するしかないでしょう。
【3】ローン相当分の固定資産を担保にする
ご自身、もしくは親族がローンの残額分に相当する固定資産を所有していれば、それを担保に差し出すことで連帯保証人からはずれることができます。しかし一定以上の固定資産を持っている人はそれほど多くないでしょうから、あまり現実的な方法ではないかもしれません。
これらの手段がすべて不可能である場合、Bさんが連帯保証人をはずれるのは難しいと言えます。たとえ離婚したとしても、債務者である元夫のローン返済が滞ることがあれば、連帯保証人であるBさんは変わらず支払い義務を負うことになりかねません。そうなる前に、いっそのこと家を手放すという選択肢もあります。ローン返済中の不動産でも、「任意売却」という方法で売却できるのです。
ローン返済の重圧に苦しみ続けるよりも、心機一転、新しい人生を歩みたいという方は、任意売却を検討してみてはいかがでしょうか。大阪・東京・神戸・京都に拠点を置く「全国任意売却支援相談室(千里コンサルティングオフィス)」は、任意売却仲介のプロフェッショナルです。無料でご相談を承りますので、ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。
この記事の監修者情報
- 監修者
- 斎藤 善徳(さいとう よしのり)
- 不動産業界歴
- 約20年
- 担当した任意売却数
- 200件以上
- 保持資格
- 宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
- 著書
- 運営会社:
- 千里コンサルティング株式会社
- 本社オフィス:
- 〒534-0021 大阪市都島区都島本通4-22-4 2階
- 電話番号:
- 06-6180-9111 FAX:06-6180-9177
- フリーダイヤル:
- 0120-15-2020
--もっとくわしく解説!--
住宅ローンは、申し込みをした本人(債務者)に支払い義務があります。一般的に夫婦間においては、夫が単独で債務者となっていることが多いでしょう。この場合、Aさんのように、妻が連帯保証人となっているケースは少なくありません。
まず一般的な「保証人」であれば、債務者に返済能力がある限り、金融機関から保証人へ支払いが要求されることはありません。しかし、「連帯保証人」の場合には、債務者と同等の支払い義務を負うことになるため、債務者の支払いが滞ったときは、債務者に返済能力があるとしても金融機関から支払いを要求される可能性があります。
たとえば、債務者である夫がローンの支払いを延滞したとします。このとき、金融機関から連帯保証人である妻に支払いを請求される場合がありますが、妻が「私はあくまで保証人なので、債務者の夫に請求してください」と主張する権利はありません。金融機関との契約において、連帯保証人は債務者と同等の責任を負うことになっているため、連帯保証人が自己都合で支払いを拒否することはできないのです。この点に注意して、離婚協議の段階から必ずローンの契約名義を確認しておきましょう。