住宅ローンが払えなくなり、任意売却を決めたものの、飼っているペットはどうなるのか心配な方はいらっしゃいませんか?
この記事では、ペットを飼っている方が任意売却をする場合の対処法や注意点を解説しています。
また、同じ環境でペットと暮らすための方法「任意売却+リースバック」についても言及しているので、最後までお読みください。
任意売却とは
任意売却とは、債権者である金融機関の合意を得て担保権付き不動産の売却をすることです。競売に比べて市場価格に近い値で売却できる、退去時期を買い手との交渉で決められる、近隣住民に競売にかかっていることを知られない等、多くのメリットがあります。
デメリットとしては、手続きが複雑で一般の方がおこなうのが難しい、金融機関との交渉が難しいことが挙げられます。
任意売却をおこなった場合、ペットはどうなるのか?
任意売却をおこなった場合、債務者は家を出ていくことが一般的です。
その場合、以下の2つの方法のどちらかを選択することになります。
・ペット可の賃貸住宅に引っ越して一緒に暮らす
・里親を探して別々に暮らす
以下で詳しく解説します。
ペット可の賃貸住宅に引っ越して一緒に暮らす
家を明け渡しても、ペット可の賃貸住宅に引っ越せれば、ペットと一緒に暮らせます。
しかし、ペット可の物件自体が少ないこと、ペット可の物件は敷金・礼金・家賃が高い傾向にあります。
また、飼っているペットによっては入居できないこともあり得るのです。
これらの状況を踏まえると、現実的には、ペット可の物件に引っ越すことは難しいかもしれません。
里親を探して別々に暮らす
ペットと一緒に暮らせないなら、里親を探して別々に暮らすしかありません。
里親探しの方法には以下のものがあります。
・親類や知人にお願いする
自分の知っている方なら一番安心です。ペットとも親交がある場合もあり、もし引き取ってもらえるのならベストな方法かもしれません。
事情を話して、お願いしてみましょう。
・店舗など人の集まる場所にポスターを貼る
先ず、里親募集のポスターを作りましょう。
ペットの写真もなるべく移りの良いものを選び、年齢、性別、体重、病気の有無や避妊手術の有無を記載します。
連絡先は、電話番号とメールアドレスを載せておきましょう。
ポスターを貼る場所は、かかりつけの獣医やトリミングサロン、その他、動物カフェやドッグランなどの動物好きの集まりそうなところに、貼らせてもらえないか尋ねましょう。
・インターネットの里親募集サイトを利用する
最近では、インターネットでペットと里親をマッチングするサイトも多くなってきました。
会員登録など面倒な手続きがありますが、ペット詐欺の被害を防ぐために、身元確認をしっかりしていると考えられます。
ペットを飼っていた物件を任意売却する場合の注意点
ペットを飼っていた物件を任意売却する場合、以下の3点に注意する必要があります。
・売却価格が下がる可能性がある
・買い手が見つからない可能性がある
・引っ越し先が見つからない可能性がある
以下で詳しく解説します。
売却価格が下がる可能性がある
ペットを飼っていること自体で、売却価格が下がることはありません。しかし、ペットを飼っているとどうしても爪や歯で柱や床や壁に傷をつけることがあります。この場合には、売却価格が下がる可能性があります。
また、ペットを飼っている方は気づきにくいのですが、ペットを飼っていない方にとっては部屋に染みついた匂いが気になることも事実です。部屋にペットの匂いが染みついている場合、やはり売却価格は下がる可能性があります。
また、どれほど清潔にペットを飼っていても、ノミやダニなどの寄生虫や抜け毛は掃除しきれないものです。
この場合、動物やノミやダニのアレルギーのある方が購入する可能性は低くなります。
買い手が見つからない可能性がある
上述したように、ペットを飼っていた物件には、歯型や爪痕、匂いなど必ずペットの痕跡が残っています。
価格を下げてくれれば買うという方もおられますが、動物嫌いの方や動物アレルギー持ちの方は購入を見送る可能性が非常に高いです。
また、動物好きの方であっても、競合の物件がペットを飼っていなかった場合、傷や匂いのない物件を選ぶ可能性が高いと考えられます。
引っ越し先が見つからない可能性がある
上述したように、ペット可の物件自体が少ないうえに、あったとしても敷金・礼金などの他に保証金として家賃の1~3カ月分を払う場合もあります。また、一般の物件よりも家賃が高額であることが殆どです。
それを踏まえると、任意売却を考えている方が、ペット可の物件に入居するのは非常に難しいと考えられます。
ペットと一緒に暮らそうとすると、家を明け渡すまでに引っ越し先が決まらない可能性があります。
環境を変えずにペットと暮らすにはリースバックがおすすめ
任意売却で家を明け渡すとペットと一緒に暮らすことは難しそうです。しかし、今まで住んでいた家でペットと一緒に暮らす方法があります。
それは、任意売却に加えてリースバックという制度を利用することです。
以下で詳しく解説します。
リースバックとは
リースバックとは、不動産を売却した後に、買主と元の家の持ち主が賃貸借契約をして、そのまま住み続けることです。
引っ越し費用も掛からず、ペットも以前と同じ環境で暮らせるなどのメリットがあります。
リースバックは、個人の買主ではなく、リースバックを扱っている不動産業者が買主になることが殆どです。
また、買主がリースバック業者だった場合、将来的に買い戻すことが可能なケースもあります。
任意売却+リースバックを成功させるポイント
任意売却+リースバックを成功させるポイントは、なるべく早い時期に弁護士や任意売却専門の不動産業者などの専門家に相談することです。
その理由は3つ挙げられます。
1つ目の理由は、早い時期に相談すればそれだけ売却期間が長くとれ、売り手に有利な条件で売却できる可能性があるからです。
逆に、任意売却のリミットが近ければ、売りたいあまりに不当に安く売ってしまう可能性があります。
2つ目の理由は、任意売却の専門家であれば、任意売却で最も難しい債権者との交渉も、豊富な知識と経験によって上手くこなしてくれるからです。
3つ目の理由は、任意売却を専門に扱っていると多くのリースバック業者と取引があると考えられ、買い手が早く見つかる可能性があるからです。また、場合によっては、任意売却専門の不動産事業者自ら買主になって、リースバックをおこなうことがあることも理由の一つです。
まとめ
ペットを飼っている家を任意売却する際の注意点、そしてペットと一緒に暮らすには任意売却に加えてリースバックを利用するのが有効であることを解説してきました。
任意売却は、競売回避の方法として一般の方々にも浸透してきました。
しかし、任意売却を行うには、手続きの煩雑さや金融機関との交渉といった専門的な知識やスキームが必要です。
任意売却を検討されているなら、全国任意売却支援相談室(千里コンサルティングオフィス)にご相談ください。
任意売却専門のプロフェッショナルが、最後まで親身になってサポートいたします。
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