転勤の辞令が出た際、住んでいるのが賃貸物件なら解約して、転勤地で新たに賃貸をすれば済みますが、持ち家の方はそうはいきません。
この記事では、持ち家のあるサラリーマンが、転勤の辞令が出たときに何をするべきか、家をどうするのがベストなのかということについて解説しています。
また、売却の際の選択肢の一つである任意売却についても触れているので、参考にしてください。
転勤が決まったらやるべきこと5選
突然、転勤の辞令が出たら、焦らずに以下の5つを確認してください。
・転勤の期間と場所の確認
・転勤先に社宅や住宅補助があるのかの確認
・家族の意向の確認
・住宅ローンの残高の確認
・持ち家をどうするのか考える
転勤の期間と場所の確認
転勤の辞令が出たら、まず確認すべきは、転勤の期間と場所です。
転勤の期間が長期なのか短期なのかで、持ち家の対処方法も変わってきます。
1年程度の短期なら、売却する人はほとんどいないでしょうし、長期にわたる場合は、自宅を賃貸に出したり、売却したりする必要が出てきます。
また、転勤先が隣県等の場合、自宅から通える可能性もありますが、遠方の場合、単身赴任するか家族共に転勤先に帯同するか決めなければいけません。
転勤先に社宅や住宅補助があるのかの確認
転勤先に、社宅や住宅補助があるかの確認も重要です。
もし、社宅がないなら、住む部屋を早急に探す必要があります。
その場合、住宅補助があるならどれくらい会社から負担してもらえるのか確認しましょう。
社宅がある場合には、「単身者専用」なのか「家族も住める社宅」なのか確認しましょう。
単身者専用でしたら、単身赴任するか、家族を転勤先に帯同するなら家族が住める賃貸を探すかしなければいけません。
また、住宅ローンが残っている場合、会社がその家を借り上げてくれるところもあるので、会社に確認してください。
家族の意向の確認
転勤が長期になる場合、家族の意向を確認することも大切です。
特に就学中のお子さんがいる場合は、現在通っている学校や習い事、また進学についても確認しましょう。
転勤は家族の生活に大きな影響を与えるので、家族一人ずつ意思を確認することが大事です。
夫婦ともに正社員として働いている場合など、夫の転勤に合わせて妻が退職して、ついていくのか、あるいは正社員勤務を継続し、夫に単身赴任してもらう、逆に、妻が家に一人残り、他の家族は夫についていくなど、考えることは多くあります。
住宅ローンの残高の確認
転勤が長期にわたる場合、家の売却も視野に入ってきます。
そこで住宅ローンの残高を確認しましょう。
ローン付きの家を売るには、まず、住宅ローンを一括で完済し、抵当権を抹消する必要があります。
そのため、住宅ローンの残高を確認し、どうやって一括返済をするのか、自己資金で足りるのか、他から調達するのか決めましょう。
持ち家をどうするのか考える
転勤先に家族が帯同するかどうかで、持ち家をどうするかが決まります。
転勤が2年未満と短期なら、家は残して単身赴任するか家族帯同するかどちらかです。
転勤が2〜5年の場合、賃貸に出すという選択肢もあります。
転勤が5年以上の場合、賃貸に加えて、売却することも考える必要があります。
転勤の際に持ち家はどうする?3つの選択肢のメリット・デメリット
転勤する場合、単身赴任しないなら選択肢は以下の3つです。
・空き家にしておく
・賃貸に出す
・売却する
以下で詳しく解説します。
空き家にしておく
2年未満の短期間なら、空き家にしておくのがおすすめです。
空き家にしておくメリットの1つ目は、他人を家に入れなくて住むことです。自分の思い入れのある家で、わずかな期間でも他人が生活するのは、嫌だという方は、空き家にしておけばその心配はありません。
メリットの2つ目は、転勤の期間が短縮されても、すぐに戻れることです。転勤期間が短縮しても、いつでも持ち家に戻って生活ができ、転勤期間内でも、一時的に帰宅することも自由です。
メリットの3つ目は、引っ越し時の荷物の片づけが少なくて済むことです。空き家にしておけば、持っていけない荷物はそのままにしておけばよいので、片づけが少なくて済むので手間がかかりません。
空き家にしておくデメリットの1つ目は、他人が、自分の家で生活をすることです。賃貸に出せば、他人が自分の家で生活をすることになります。
デメリットの2つ目は、好きなときに自宅に帰れないことです。賃貸借契約期間内は、家に戻れないので、地元に帰ってきたときは、ホテルなどを利用せざるを得ません。
デメリットの3つ目は、引っ越しの片づけが大変なことです。転勤先に持っていけないものは処分するかスペースを借りて保管しなければいけません。
デメリットの4つ目は、家が傷みやすいことです。人が住んでいない家は、傷みやすくなります。また、空き巣や放火のリスクが高まります。
賃貸に出す
転勤期間が2年以上になる場合、賃貸も選択肢の一つです。
通常の賃貸借ではなく、定期賃貸借を利用すれば、転勤後、スムーズに元の生活に戻れます。
賃貸に出すメリットは、まず、家賃収入を得られることです。転勤先での家賃や、住宅ローンの負担が軽くなります。
空き家にしておくと、家が傷みやすくなります。賃貸に出しておけば、家は傷みにくくなり、空き巣や放火のリスクが軽減されます。
一方、デメリットは、投資用のアパートなどと違い、自分の生活している家を、他人が使うことに抵抗がある方もいることです。
また、住宅ローンが残っている場合、賃貸している期間、住宅ローンの一括返済を金融機関から求められたり、住宅ローン控除が受けられなくなったりする可能性があることもデメリットの一つです。
「住居利用者本人が居住する」ことが、住宅ローン融資や住宅ローン控除利用の条件だからです。
これらは、転勤という「やむを得ない事由」にあたる可能性があり、金融機関によっては、住宅ローンが継続できることもあるので、利用している金融機関に問い合わせましょう。
売却する
転勤期間が5年以上ある、あるいは転勤期間がわからず戻ってくる可能性が低い場合は、売却するのがおすすめです。
売却してしまえば、維持費や固定資産税・都市計画税の負担がなくなります。
これが売却のメリットの一つです。
また、売却によりまとまったお金が得られるのもメリットの一つで、転勤先から戻ることがない場合、売却で得たお金を新居の取得費用に充てることも可能です。
売却のデメリットの一つは、知人に買いたいという人がいなければ、買い手探しを不動産業者に頼むことになるので、不動産業者へ仲介手数料を払わなければいけないところです。
また、住宅ローンが残っている場合、家には抵当権が付いているので、基本的に売却できません。
ローンの残りを一括で返済し、抵当権を抹消してから売ることになります。
ただし、任意売却という方法を使えば、抵当権の付いている家でも売却できる可能性があります。
任意売却とは、債権者である金融機関の承諾を得て、不動産を売却する制度です。
しかし、任意売却は手続きが複雑なことと、金融機関の承諾を得るための交渉術が必要なことなどから一般の方の利用は難しいので、弁護士・司法書士等や任意売却専門の不動産業者に依頼するのがおすすめです。
任意売却について詳しく知りたい方は下のリンクをクリックしてください。
まとめ
転勤はサラリーマンならある程度仕方のないことですが、転勤はその方の生活を一変させてしまう可能性があります。
転勤の辞令が出た場合、慌てずに最低5つの確認を行うことと、持ち家をどうするのかに関して3つの方法とそのメリット・デメリットについて解説してきました。
任意売却は、競売回避の方法として一般の方々にも浸透しつつあります。
しかし、任意売却を行うには、手続きの煩雑さや金融機関との交渉といった専門的な知識やスキームが必要です。
任意売却を検討されているなら、全国任意売却支援相談室(千里コンサルティングオフィス)にご相談ください。
任意売却専門のプロフェッショナルが、最後まで親身になってサポートいたします。
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