「親子リレーローンを利用しているが、息子の給料が思った以上に増えず返済が厳しい」
「年金暮らしの自分たちだけでは、毎月の住宅ローンの返済をするのは苦しい」
親子リレーローンは、借入金額を増やせることや借入期間を延ばせるなどメリットがあるものの、片方が返済できないことで共倒れしてしまうリスクがあります。借入当初に想定していなかった事態に直面し、不安や悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
親子リレーローンの返済が困難になった場合には短期であれば条件変更、長期であれば任意売却の検討が必要です。これらについて詳しく解説していきますのでぜひお読みください。
親子リレーローンの落とし穴
親子リレーローンは、親と子が共同で住宅ローンを返済する仕組みで、親が高齢であっても住宅ローンを組める利点があります。しかし、親子リレーローンにはいくつかのリスクや注意点があります。
一般的に親子リレーローンでは、どのようなリスクがあるのか、もし滞納が続いてしまうとどうなってしまうのか、についてご説明していきます。
親子リレーローンは片方が返済不能になると共倒れする可能性が高い
親子リレーローンのリスクの例を挙げると、次のようなものがあります。
・親が高齢の場合、健康状態の悪化や死亡リスクが高く、ローンの返済責任がすべて子に移る可能性がある
・子が独立して別の住宅を購入したい場合、既存のローンにより借入がしづらい
・親と子の経済的状況やライフスタイルの違いにより、不仲になりローン返済におけるトラブルの原因となる
・親が亡くなった場合、相続税や財産分与の問題が複雑化し家族内でのトラブルを引き起こす
これらに共通するのは、親の住宅ローンが家族に与える影響です。上記で挙げるリスクを十分に理解し、慎重に検討することが重要なのです。
今のまま滞納していると約18か月後には強制退去となる
返済が困難となり親子リレーローンを滞納した場合、何もせず放置すると約18ヵ月後には現在住んでいる家から強制退去させられます。
滞納期間 | 内容 |
1~2ヵ月 | 金融機関から電話・督促状が届く |
3~9ヵ月 | 金融機関から催告書や期限の利益喪失通知書が届く
この時点で期限の利益を喪失しているため一括弁済が必要となる |
10~15ヵ月 | 裁判所執行官が自宅の調査を開始
裁判所から期間入札通知が届き競売が公告 期間入札開始 |
16~18ヵ月 | 開札され売却許可決定
競売代金が落札者より納付され所有権移転 強制退去 |
開札日が来ると競売のみの選択肢となります。競売では市場価格の50〜70%で売却されるため残債務が多く残る可能性が高いです。競売費用が差し引かれ手元資金が少なくなり、信用情報に傷がつき、ローン審査やクレジットカード利用も制限されます。
短期間の滞納なら金融機関に条件変更の相談
親子リレーローンの返済が短期間だけ困難な場合には、金融機関に条件変更を相談しましょう。条件変更を利用する具体例としては、一時的な収入の減少や失業、病気や怪我による療養、一時的な支出の増加により月々の返済が厳しくなった場合などです。
一時的に返済が厳しくなった場合には、金融機関へ早めに相談することで適切な支援策を講じてもらえる可能性があります。
条件変更やメリット・デメリットを1つずつ解説していきます。
条件変更とは
住宅ローンの条件変更とは、返済負担軽減のために、既存の返済条件を見直すことを指します。具体的な変更内容としては、以下のようなものがあります。
1.返済期間の延長
毎月の返済額を減らすために、ローンの返済期間を延ばします。これにより、月々の支払いが軽減されますが、総返済額は増加する可能性があります。
2.元本据置期間の設定
一定期間、元本の返済を一時的に停止し、利息のみを返済する期間を設けることができます。これにより、一時的な負担を軽減します。
3.返済方法の変更
元利均等返済から元金均等返済に変更することで、返済計画を調整します。
これらの変更を行うことで、借り手は一時的な経済的困難を乗り切りやすくなります。
ただし、変更に伴う手数料や総返済額の増加などのデメリットも考慮する必要があります。
条件変更を検討する際は、銀行としっかり相談し、最適な解決策を見つけることが重要です。
条件変更のメリットデメリット
条件変更のメリットとデメリットを挙げると以下の通りです。
メリット | デメリット |
1.返済負担の軽減
→返済期間を延長することで、毎月の返済額が減り、家計の負担が軽くなります。 |
1.総返済額の増加
→返済期間を延長すると、利息の支払いが増え、総返済額が増加する可能性があります。 |
2.柔軟な返済計画
→返済方法を変更することで、経済状況に応じた柔軟な返済が可能になります。 |
2.手数料の発生
→条件変更には手数料がかかる場合があります。 |
3.一時的な救済
→元本据置期間を設定することで、一時的に元本の返済を停止し、急な経済的困難に対応できます。 |
3.信用情報への影響
→条件変更の内容によっては、信用情報に影響を与え、将来の借り入れに不利になることがあります。 |
条件変更は、返済負担を軽減し柔軟な返済を可能にする一方で、総返済額の増加や手数料といったデメリットがあります。家計の状況や将来の見通しを慎重に考え、金融機関と相談しながら最適な選択をすることが重要です。
長期間返済困難なら早急に任意売却の検討が必要
任意売却とは、債権者の合意のもと通常売却と同じように所有者の希望条件で中古不動産市場で売却できる方法です。競売とは異なり、市場価格に近い価格で売却できるため、ローンの残債務をできるだけ多く返済することが可能です。
任意売却の利点は主に次の3つが挙げられます。
1.高値で売却可能
2.信用情報への影響軽減
3.住環境の調整
任意売却は、住宅ローンの返済に困った際の有効な手段であり、競売よりも柔軟かつ有利な条件で不動産を売却できます。ただし、金融機関の同意が必要であり、専門家のサポートを受けることが成功の鍵となります。
長期で返済困難なら任意売却が良い理由
任意売却は競売より高値で売却でき、残債が少なくなり経済的負担が軽減されます。強制競売と任意売却との違いを比較すると以下の通りです。
任意売却 | 強制競売 | |
売却スケジュール | ある程度所有者主導 | 裁判所主導 |
売却価格 | 市場価格と同等価格 | 市場価格の50~70% |
プライバシー | 通常売却同様守られる | インターネットでも公示 |
売却後の残債 | 分割弁済などの調整可 | 一括弁済 |
残債 | 圧縮でき分割交渉も可能 | 多く残る |
引っ越し費用など | 交渉可 | 交渉不可 |
リースバック | 利用できる | 利用不可 |
任意売却は市場で高値が期待でき、プライバシーも守られます。売却代金から諸費用を支払うため、現金の持ち出しは不要です。残債も無理のない分割返済などで交渉が可能で、競売より多くのメリットがあります。
任意売却の流れと注意点
任意売却は通常売却同様次のような流れで進めていきます。
ステップ | 内容 | 注意点 | |
1 | 相談 | 不動産業者や金融機関に相談し、任意売却の可能性を確認 | 早めに相談し、適切なアドバイスを受けることが重要 |
2 | 許可申請 | 債権者(金融機関)の同意を得るために、売却計画を提出 | 売却計画の内容が具体的で現実的であることを確認 |
3 | 査定 | 不動産業者による物件の市場価格の査定 | 適正な価格設定が売却成功の鍵となる |
4 | 売却活動 | 市場に物件を公開し、購入希望者を探す | 売却活動中も住宅をきれいに保ち、良い印象を与える |
5 | 売買契約 | 購入希望者と売買契約を締結 | 契約条件を慎重に確認し、双方が納得できる内容とする |
6 | 代金受領 | 売却代金を受領し、債務の返済に充当 | 売却代金が債務を十分にカバーするか確認 |
7 | 引き渡し | 物件の引渡しと新たな住まいへの引っ越し | 引越し準備を計画的に行い、スムーズな移行を図る |
任意売却には金融機関との協力が不可欠です。早期に専門家へ相談し、具体的な売却計画を立てることが重要です。適正価格での査定と物件の魅力維持が必要で、契約条件を確認し納得することが求められます。
まとめ
任意売却は、債権者も所有者もメリットがある救済手段です。任意売却により強制競売よりも高く売ることで住宅ローン残債が減り、その後の人生も大きく左右します。
任意売却を検討されているなら、任意売却専門のプロフェッショナルがいる全国任意売却支援相談室(千里コンサルティングオフィス)にご相談ください。最後までしっかりとサポートいたします。
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