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「ペアローン」の住宅ローン|離婚後に発生する問題と解消法

2022/7/2住宅ローン

住宅ローンを組むとき、おもに共働きの夫婦で利用される「ペアローン」。

住宅ローンの借入額を増やせるなどのメリットがある一方で、離婚する場合は注意しなければなりません。

 

とくに住宅ローンの残債がある状態で離婚すると、大きな問題が発生する危険があります。

この記事では、ペアローンで住宅ローンを組んだ夫婦が、離婚するときに発生する問題と、その解決法についてご紹介します。

 

実際に離婚後のペアローン問題や住宅ローン返済にお困りの方は、後半で「任意売却」もご説明しますので、ぜひ最後までご覧ください。

 

住宅ローンのペアローン

 

住宅ローンの「ペアローン」とは?

 

住宅ローンのペアローンとは、おもに収入が安定した共働きの夫婦に利用される契約方法です。

一つの物件に対して、同じ金融機関で夫婦それぞれが住宅ローンを組み、お互いが連帯保証人になります。

 

例えば、5,000万円の住宅ローンを組みたい場合、夫3,000万円・妻2,000万円など、夫婦の収入状況に合わせた契約が可能です。

 

ペアローンは夫婦が共同で住宅ローンを組める安心感はありますが、デメリットもあるので注意しなければなりません。

 

①ペアローンのメリット

・単独名義と比べて借入金額を増やせる

・夫婦それぞれに住宅ローン控除が適用される

・別々に団体信用生命保険に加入できる

 

➁ペアローンのデメリット

・住宅ローンを2本組むため諸費用が増える

・世帯全体の返済負担が増える

 

ペアローンは住宅ローンの借入金額を増やせるほか、夫婦それぞれに住宅ローン控除が適用されるため、節税にも効果的です。

 

しかし、同じ金融機関でも別々に住宅ローンを組むため、世帯全体の返済負担が増えるのはもちろん、融資手数料などの諸費用が契約ごとに必要になります。

 

住宅ローンの諸費用が気になる方は、以下の記事をご覧ください。

 

【参考記事】

住宅ローンの「諸費用」とは?種類や相場など分かりやすく解説

 

離婚後に発生するペアローン問題とは?

 

ペアローンは便利な契約方法ですが、ペアローンを組んだ状態で離婚すると大変です。

ペアローンの仕組み(夫婦それぞれが住宅ローンを組み、お互いが連帯保証人になる契約方法)が、離婚後の問題発生につながります。

 

すべて夫婦双方の同意が必要

 

ペアローンを組んだ夫婦が離婚するとき、離婚後の住宅に関わるすべての決定は夫婦双方の同意が必要になります。

それは、ペアローンで住宅ローンを組んだ場合、夫婦それぞれに家の所有権が発生するからです。

 

離婚が決定したら、まずは自宅を売却するのか、居住を継続するのかを決めなければなりません。

そこで話がスムーズにまとまれば問題ありませんが、話し合いが平行線のまま泥沼化するケースが多く見られます。

 

夫婦双方が名義人であり連帯保証人

 

ペアローンは、夫婦それぞれ名義人として住宅ローンを組み、お互いが連帯保証人になっています。

その状態は、夫婦が離婚したからといって変わるわけではありません。

 

もし、離婚後に夫・妻いずれかが失業や病気などで支払い不能になった場合、自ら契約している住宅ローンとともに、もう一方の

住宅ローンの返済義務も発生してしまいます。

 

基本的に住宅ローンの名義人や連帯保証人は変更できないため、ペアローンを組んだままの離婚はトラブルが多いのです。

 

離婚時のペアローン問題を解消する方法とは?

 

ペアローンを組んだ夫婦の離婚後は、さまざまな問題の発生が予想されます。

そこで、離婚後のペアローン問題を解消する方法として有効になるのが、以下の2種類の方法です。

 

①ペアローンの一本化

➁自宅売却による現金化

 

実際にどのような方法なのか、それぞれ簡単に見ていきましょう。

 

ペアローンの一本化

 

ペアローンは夫婦それぞれが住宅ローンを組んで、お互いが連帯保証人になっているため、離婚後の問題が発生しやすいです。

そこで、ペアローンを一本化すれば、問題を解消できるでしょう。

 

ペアローンを一本化する具体的な方法は以下の2通りになりますが、なかでも「借り換え型」の利用が有効です。

 

①債務引受型

夫・妻のどちらかが、2つの住宅ローンの残債をすべて引き受けて返済する方法です。

例えば、夫の残債が1,000万円、妻の残債が500万円だとして、夫の単独名義に一本化する場合、夫は1,500万円のローンを返済することになります。

 

➁借り換え型

借り換え型は文字通り、別の住宅ローンに借り換える方法です。

現在の金融機関で単独名義の住宅ローンに借り換える方法もありますが、別の金融機関での借り換えも可能です。

 

借り換え型は、名義人が変更できるほか、連帯保証人からも外れられます。

さらに、借り換えによって金利が低くなれば、返済負担も軽減できるでしょう。

 

ペアローンを一本化するこれらの方法は有効ですが、借り換えに伴う金融機関の審査は厳しく、とくに債務引受型は審査が厳しいためハードルが高いでしょう。

 

また、そもそもペアローンからの借り換えを受け付けていない金融機関もあります。

ペアローンの一本化をお考えの際は、まずは金融機関に受付状況などを確認してから話を進めましょう。

 

自宅売却による現金化

 

ペアローン問題を根本的に解消する方法が、自宅売却による現金化です。

自宅を売却して現金化したのち、すべての住宅ローンを完済できれば、ペアローン問題は一気に解消されるでしょう。

 

しかし、住宅ローンが以下のどちらの状態にあるのかで事情が大きく変わってきます。

 

①アンダーローン:物件価格が住宅ローンの残債を上回る状態

➁オーバーローン:住宅ローンの残債が物件価格を上回る状態

 

そこで、自宅の売却をお考えの場合は、早急に住宅ローンの残債確認と物件の価格査定をおすすめします。

詳しくは以下の記事で解説していますので、参考になさってください。

 

【参考記事】

住宅ローンの名義・残債を確認しよう!【妻向け離婚準備ガイド】

持ち家・マイホームの売却価格を査定しよう!【妻向け離婚準備ガイド】

 

ここからは、住宅ローンをアンダーローンとオーバーローンに分けて、自宅を売却する方法をご紹介します。

 

「アンダーローン」の場合

 

物件価格が住宅ローンの残債を上回る「アンダーローン」の場合、一般的な不動産売買で自宅を売却できます。

売却価格で住宅ローンが完済でき、費用が残れば財産分与も可能です。

 

また、アンダーローンの状態なら、「リースバック」の利用もおすすめです。

 

リースバックとは、不動産売買と賃貸借契約が一体になった不動産取引です。

自宅をリースバック事業者に売却して現金化したのち、その事業者と賃貸借契約を結び、家賃を支払いながら自宅にそのまま居住できます。

 

リースバックを利用すれば、自宅に居住しながら短時間で資金調達が可能です。

リースバックを詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

 

【参考記事】

不動産「リースバック」とは?利用するメリット・デメリット

 

「オーバーローン」の場合

 

住宅ローンの残債が物件価格を上回る「オーバーローン」の場合、自宅を売却してもローン残債があります。

不足分を自己資金で完済しなければなりませんが、現実的に不可能なケースが殆どです。

 

そこで、オーバーローンの物件は「任意売却」が利用されます。

 

任意売却とは、住宅ローンの返済が困難になった不動産を、債権者の許可を得て処分する不動産取引です。

住宅ローンの債務を残したまま抵当権(債権者の融資担保)を解除してもらえます。

 

任意売却は競売よりも高値で、市場価格に近い価格で自宅の売却が可能です。

実際にペアローンを組んでいる夫婦が離婚するとき、多くの人がオーバーローンの物件で任意売却を選択します。

 

任意売却をより詳しく知りたい方は「任意売却とは」をご覧ください。

 

まとめ

 

住宅ローンのペアローンは、おもに共働きの夫婦に利用される契約方法。

住宅ローンの借入額が増やせるなどのメリットがある一方で、ペアローンを組んだまま離婚すると大変です。

 

同じ金融機関で夫婦それぞれが住宅ローンを組み、お互いが連帯保証人になる仕組みのため、離婚時に問題が発生するケースが多く見られます。

 

そのペアローン問題を解消する方法として、以下の2種類の方法が効果的です。

・ペアローンの一本化

・自宅売却による現金化

 

それでも離婚後の住宅ローン返済にお困りの方は、「全国任意売却支援相談室(千里コンサルティングオフィス)株式会社」までお気軽にご相談ください。

 

弊社は、任意売却やリースバックに強いコンサルタント会社です。

1,500件を超える任意売却の実績のほか、リースバックも今まで培った経験やノウハウを活用し、100社を超える提携業者・投資家から一番条件の良い相手をお探しします。

 

現在、住宅ローンの返済にお悩みの方は「全国任意売却支援相談室(千里コンサルティングオフィス)株式会社」までお気軽にご相談ください。

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