任意売却のメリットの一つに、競売よりも高い(市場価格に近い)価格で売却できるということがあります。
しかし、気になるのはどの程度で売却できるかということですよね?
住宅ローンの返済が滞った場合
住宅ローンの支払いが滞った場合のおおよその流れは以下のようになります。
①借入先金融機関の担当者から連絡(電話)がある
②催告書や督促状が届く
③期限の利益の喪失予告通知 ⇒ 喪失通知(要は一括返済するように通知がくること)
④代位弁済の通知が届く(この時点で保証会社が債務を一括で建て替えている)
⑤金融機関や保証会社から任意売却をするかどうか確認される(必ずあるわけではない)
⑥一括返済や任意売却をしないでいると競売申立予告通知が届く
⑦担保不動産競売開始決定通知書が届く
⑧競売にかけられる
競売は市場価格のどの程度で売れるのか
結論から言うと、相場の約60%程度の価格で取引が行われます。
大きな金額で取引が行われても最大で約70%程度が限界のようです。
競売で取引価格が下がる理由
なぜ通常の競売ではこれだけ相場が下がってしまうのでしょうか。
これには、取引におけるいくつかのリスクが存在するからです。
①物件の内覧ができないから
まず、不動産の競売はその物件の中身を見て判断できるわけではありません。
不動産の状況を確認できるときというのは、実際にその物件が引き渡されたときになります。
空き渡されたときに当該不動産の内情が考えていたものとは異なっているということも十分にあり得ます。
購入者はそういったリスク込みの価格をつけざるを得ないという事情があるわけですね。
②不法占拠者がいる可能性
競売で不動産を購入する場合、その不動産で生活をしている不法占拠者がいる可能性も考えておく必要があります。
これは必ずしも元の所有者と同一であるとは限りません。
この場合、物件を購入した人と不法占拠者がトラブルを解決するための話し合いなどを行わなくてはいけません。
場合によっては立ち退きの手続きなどもしなくてはいけないので、リスクは少なくありません。
任意売却では市場価格のどれ程度で売れるのか
一方で、任意売却には上記のようなリスクが存在しないため、不動産売却における相場が若干高くなる傾向があります。
一般的には、高い確率で相場の70%以上にはなりますし、基本的には競売よりも高い金額になります。
また、不動産売買に伴う諸経費を、元の所有者が支払う必要がないということも、価格が高くなる要因の一つです。
まとめ:任意売却と競売の価格差について解説
①競売は取引に伴うリスクがあるため売却価格が下がる
②競売に伴うリスクがないため、任意売却は競売よりも高値で売れる傾向にある
③競売はおおよそ市場価格の60%程度で最大でも70%程度、任意売却は高い確率で70%を超える金額で売却可能
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