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滞納した税金に時効はある?自己破産した場合はどうなるの?

税金を支払わなければならないのに、うっかり支払期限を過ぎて滞納してしまったことはありませんか?

税金を滞納すると給料や不動産が差し押さえられるケースもあるため、ドラマなどの強制執行のシーンをイメージして怖くなってしまうでしょう。

そんな不安を払しょくするために、税金を滞納した場合の時効について解説し、自己破産や海外移住、相続などの特殊なケースではどうなるのかを分かりやすくご説明します。

「この場合はどうなるの?」と不安な方は、参考にしてください。

支払督促 未払いのお金

滞納した税金に時効はあるの?

民法によれば、「国税の徴収権は、その国税の法定納期限から5年行使しないことによって時効より消滅する」と定められています。

しかし、消滅時効は中断と停止が可能です。

一般的には税務署から催促が届いた時点で時効はリセットされるため、時効が中断されて一から始まります。

税金滞納の中断事由は、請求・差し押さえ・捜索・承認・一部納付などのため、これらが執行された場合時効はリセットされます。

納税すればもちろん支払い義務はなくなりますが、支払わない限り義務から免れることはできないと考えましょう。

 

特殊な理由がある場合滞納した税金はどうなる?

納税したくてもできないケースや、思いもよらず納税義務が発生することもあります。

なにか特殊な理由がある場合でも、滞納した税金は絶対に支払わなければならないのでしょうか?

 

自己破産した

破産法により、「租税等の請求権」には免責許可決定の効力が及ばないと定められています。

つまり、自己破産すると借金の返済義務はなくなりますが、滞納した税金の支払い義務がなくなるわけではありません。

 

海外へ移住した

日本にいないからといって、滞納した税金の支払い義務がなくなるわけではありません。

税金を滞納したまま海外に移住した場合、国内金融機関の預金口座が差し押さえ処分を受けることがあります。

実際に2015年に東京高裁で行われた裁判では、海外に住民票を移した滞納者に対し、地方公共団体が行った公示送達による催促状の送付と財産の差し押さえは適法であると判断されました。

つまり、住居を海外に変えたとしても、日本で滞納した税金の支払い義務は消えません。

 

親が税金を滞納したまま亡くなった

税金滞納者が死亡した場合、相続人が滞納税金を支払う義務があります。

自分が滞納した税金ではないため、「絶対支払いたくない」と思う相続人も多いでしょう。

相続にはプラスの財産と呼ばれる預貯金や不動産などもありますが、一方で借金などのマイナスの財産を引きつぐケースもあります。

相続手続きをするとプラスの財産もマイナスの財産も引き継ぐことになるため、滞納した税金を支払わなければなりません。

支払いたくない場合は相続放棄もできますが、プラスの財産を放棄することはもちろん、次順位の相続人に相続権が移って両者でトラブルになることもあります。

 

滞納した税金の強制執行や差し押さえを防ぐには?

強制執行や差し押さえの対処法を解説します。

ここで解説するのは免責にできるような回避方法ではなく、将来的に納税することを前提とした対処法です。

相続放棄以外で納税義務がなくなることはないため、きちんと税金を支払いましょう。

 

なるべく早く支払う

差し押さえ予告通知が発送され、1ヶ月程度で差し押さえとなります。

予告通知が届いてから2週間から1ヶ月程度で支払い催促が届きますが、これが届くと差し押さえ目前といえるでしょう。

差し押さえ時には生活に必要な衣類や家具・食料以外は回収されてしまうため、支払い可能であれば差し押さえ前に支払う方がよいです。

 

税務署に納税の猶予を申請する

一時的に納付が困難な場合は、税務署に納税の猶予を申請できます。

納税の猶予における要件すべてに該当すれば原則として1年以内の期間、猶予の申請をする場合は原則として猶予を受けようとする金額に相当する担保の提供が必要です。

猶予が認められる条件と担保は以下の通りです。

 

【納税の猶予】

1.次の①から⑥までのいずれかに該当する事実があること。

①財産について、災害を受けたり盗難に遭ったこと。

②納税者や家族が病気にかかったり負傷したこと。

③事業を廃業したり休業したこと。

④事業について著しい損失を受けたこと。

⑤上記の①から④に類する事実があったこと。

⑥本来の期限から1年以上経過した後に、修正申告などにより納付すべき税額が確定したこと。

2.猶予該当事実に基づき、納税者がその納付すべき国税を一時に納付することができないと認められること

3.申請書が提出されていること(上記1⑥の場合は納期限までの提出)。

4.原則として、担保の提供があること。

 

【担保の提供が必要ないケース】

1.猶予を受ける金額が100万円以下である場合

2.猶予を受ける期間が3ヶ月以内である場合

3.担保として提供することができる種類の財産がないといった事情がある場合

 

【参考記事】国税庁「国税を期限内に納付できないとき」

 

税務署で分割払いをお願いする

税務署にお願いすれば、分割払いにしてくれます。

ただし、分割分も滞納すると口座の差し押さえなどが執行される可能性があることに注意しましょう。

例えば納税者が新社会人になったときに祖母が車を購入し、祖母が名義人になった状態で自動車税を滞納したケースでは、名義人である祖母の年金が差し押さえられた事例もあります。

 

まとめ

滞納した税金の時効は5年ですが、催促状の発行によりリセットされるため事実上ありません。

放置すると延滞金が発生するため、なるべく滞納せずに早めに支払いましょう。

一時的に支払いが困難な場合は、税務署で納税の猶予や分割払いを申請してください。

ただし、相続の場合は放棄すれば支払い義務はなくなります。

相続の開始があったことを知ったときから3ヶ月以内に、家庭裁判所で相続放棄の手続きをしましょう。

なお、一度相続すると放棄はできないため、相続時にはどんな財産があるのかしっかりと確認したうえで決定してください。

 

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