住宅ローンの返済が困難になった場合に、財産処分の1つである任意売却を行い状況の改善を図ることがあります。
競売に比べると市場価格に近い金額で売却することができるため、任意売却を利用する方が増加しました。
しかし、状況によっては任意売却ができず、競売を余儀なくされることもあるため注意が必要です。
本記事では「任意売却ができないケース」や「解決策」、さらに「任意売却を成功させるポイント」について解説します。
任意売却を検討されている方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
任意売却とは?
任意売却とは、住宅ローンの返済が滞った場合に金融機関の同意を得て自宅を売却することです。
しかし通常の場合は、住宅ローンの返済が残った状態では売却できません。
そのため金融機関に任意売却の合意を取り付け、競売より有利に売却できるようにする方法が任意売却です。
ただし、どんな状況でも使える制度ではありません。
住宅ローンの返済が一定期間続いた場合に、任意売却の制度が使えるようになります。
任意売却ができないケースと解決策
任意売却は、住宅ローンが滞った際の解決策の1つですが、誰もが選択できるわけではありません。
では、任意売却ができないケースとはどのようなものでしょうか。
ここでは、6つのケースと解決策をあわせて解説します。
金融機関などの債権者が任意売却を認めない場合
住宅ローンの返済が難しい場合に選択するのが任意売却です。
しかし、金融機関からするとリスクもあるため避けたい選択肢になります。
そのため、金融機関によっては任意売却を認めていない場合があります。
そのような金融機関の場合、同意を得られるかは任意売却後に返済できる見込みがある残債額かどうかがポイントになるでしょう。
共同名義人や連帯保証人の同意が得られていない場合
任意売却は、金融機関の同意だけでは実施できません。
共同名義人や住宅ローンの連帯保証人の同意も必要になります。
通常、配偶者や親族が共同名義人や連帯保証人になっていることが一般的です。
そのため、離婚している場合などは交渉自体が困難になることがあります。
また、話し合いをする際は冷静かつ根気強く交渉するようにしましょう。
任意売却をするための時間的余裕がない場合
任意売却は、競売が開始されるまでの間に引き渡しを済ませなければなりません。
「入札」が開始されてしまうと、金融機関は任意売却を認めてくれなくなるからです。
そのため、買い主を探す期間も考えて早い段階から準備しておくことが重要になります。
売却額が住宅ローン残債を下回る場合
売却額が住宅ローンの残債を下回る場合、金額差が激しいと金融機関が任意売却に同意してくれない可能性が高くなります。
この場合は、まず売却できる見込みの金額を把握しましょう。
そのうえで売却後の推定残債を算出し返済計画案を示して交渉し、返済できると判断されれば任意売却に同意してもらえる確率が高くなります。
国や自治体に差し押さえされている場合
税金を滞納し差し押さえされている状態だと、任意売却を行うことはできません。
状況によっては売却金額から税金の返済を認めてもらえる場合もありますが、交渉に応じない自治体もあるので確認するようにしましょう。
差し押さえの対象となっている税金などを先に支払うようにして、住宅ローン以外の滞納がない状態にしておくことが重要です。
建築基準法違反がある場合
建築当時は基準を満たしていた物件でも、売却時点で建築基準法を満たしていない場合があります。
そのため、購入希望者が現れても住宅ローンを組みにくく、任意売却ができない可能性が高くなります。
ほかにも建物の老朽化が進み、リフォームなしでは住めない場合も任意売却が難しくなるでしょう。
その場合は、建物は取り壊し土地を利用したい購入希望者を探すと売却できる場合もあります。
任意売却のメリット・デメリット
債務者に有利な点が多いのが任意売却ですが、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
確認していきましょう。
任意売却のメリット | 任意売却のデメリット |
|
|
任意売却には、上記のようなメリット・デメリットがあります。
そのため、デメリットもしっかり理解したうえで利用を検討するようにしましょう。
任意売却を成功させるためのポイント
任意売却ができないケースや買い手が見つからないなどの事態を避けるためには、ポイントがあります。
ここでは、任意売却を成功させるためのポイントを、2つご紹介します。
金融機関にできるだけ早く相談する
限られた期限内に売買が成立するかが、任意売却において重要です。
しかし、手続きを進めるには金融機関の同意を得たり、共同名義人や連帯保証人の同意を取り付けたりする必要があります。
そのため、住宅ローンの返済が困難になった場合は少しでも早く金融機関に相談し、任意売却を扱う専門化を探すようにしましょう。
実績がある専門家に依頼する
専門家に任意売却を依頼する際は、実績が豊富な会社を選ぶようにしましょう。
任意売却を専門としているなど強みがある会社の場合、銀行との交渉にも長けています。
また弁護士や司法書士と提携していることも多く、手厚いアフターフォローを受けることもできるので安心です。
まとめ
任意売却は、住宅ローンが滞った際に状況の改善を図ることができる方法です。
しかし誰でも任意売却を利用できるとは限りません。
そのため返済が難しいと感じたら、なるべく早く金融機関に相談するようにしましょう。
また依頼する専門家を探す際は、任意売却の実績が豊富な会社を選ぶようにすると安心です。
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