住宅ローンを滞納したまま対応せずに放置していると、裁判所から「競売開始決定通知」が届きます。
さらに滞納を続けると「現況調査に関する通知」が届き、指定の日時に執行官が訪れ「家の査定」「写真撮影」などの現状調査が行われます。
この段階まで進むと、競売開始までに残されている時間はわずかです。
しかし1日でも早く専門家に相談することで、競売を回避し任意売却を行うことも可能です。
この記事では「執行官が家に来てからの流れ」や「競売を回避し任意売却を行う方法」などについて解説します。
裁判所から執行官が自宅に来たけれど自身に有利な売却をしたいとお考えの方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
執行官はどのような場合に自宅に来るのか?
執行官は、連絡もなく突然自宅に来ることはありません。
しかし「どのようなことをされるのか」と不安に感じる方もいらっしゃると思います。
ここでは「執行官とは」や「何をするために来るのか」などについて、解説します。
執行官とは
執行官は裁判所の代理人として強制執行の作業を取り仕切る、地方裁判所に所属する職員です。
競売に関して執行官が行う仕事は「競売を申し立てられた不動産の状況を調査」と「競売が執行されても明け渡しをしない占有者(元所有者)を強制的に退去させる」などがあります。
何をするために来るのか
住宅ローンが払えず滞納すると「競売開始決定通知」の書類が自宅に届き、競売にかけられることが決まります。
その後「現況調査に関する通知」が届き、指定の日時に不動産の入札価格を決定するために執行官が自宅に来ることになります。
「現況調査」は法律に基づいた強制的なものになるため、拒否することはできません。
そのため留守にしたり訪問に応じなかったりすると、執行官は鍵を解除して強制的に自宅に入ります。
妨害しようとすると公務執行妨害で犯罪になることもあるため、協力するようにしましょう。
執行官が来た後はどうなるのか
執行官が調査に訪れると、裁判所やインターネットで競売物件情報として写真付きで公開されます。
その後、調査に時間がかかる物件以外は、通常4~6ヶ月で競売になります。
競売になり落札者が決定すると、その人は抵抗することができず強制的に退去しなければなりません。
執行官が来た場合は早期に売却方法を検討しよう
執行官が自宅に調査に来た場合、競売の入札開始まで残された時間が少ないことを意味しています。
そのため、早急に競売をさける方法の検討が必要です。
競売を取り下げる方法は「任意売却」しかありません。
しかし競売を取り下げるには、入札開始日よりも前にすべての手続きが完了していなければなりません。
すでに自宅に執行官が来たという方は残された時間が少なくなるため、早急に検討し任意売却を専門に扱う不動産業者に相談するようにしましょう。
任意売却は、競売よりも債務者にメリットが多いため、売却後の生活を少しでも良い状態でスタートさせることができます。
金融機関などの債権者も少しでも多く債権を回収するため、期間内に交渉した条件で売却できる場合は任意売却に合意してくれるでしょう。
ただし銀行との交渉などは経験も重要になるため、任意売却を依頼する際は信頼できる不動産業者を選ぶようにしましょう。
競売と任意売却の違いとは
執行官は競売の準備のために自宅に来ることは、ご理解いただけたと思います。
では競売と、それを回避するために利用する任意売却の違いは、どのようなものでしょうか。
ここでは競売と任意売却の違いについて、解説します。
競売とは
競売とは、住宅ローンなどが返済できなくなった場合に土地や建物などの不動産を強制的に売却することです。
金融機関などの債権者が裁判所に申し立てをすると手続きに入り、裁判所から委託された不動産鑑定士が価格を決定します。
競売物件は現況有姿での売買となるため、裁判所への瑕疵(かし)担保責任が適用されません。
そのため、通常の相場よりも低い価格設定になることが一般的です。
また競売になると、自宅の情報が新聞やインターネットに掲載されるためプライバシーを守ることも難しくなるでしょう。
任意売却とは
任意売却は競売に至る前の段階で金融機関などの債権者に了承を得て、一般の不動産を売却する方法と同じように売却することです。
専門の業者が債務者の側に立ち、債権者と交渉して売却期間を設定します。
そうすることで、市場価格に近い金額で売却が可能です。
そのため競売に比べて住宅ローンの残額も少なくなり、生活再建の見通しも立てやすくなります。
また通常の不動産売買と同様の販売活動になるため、プライバシーを守ることができるのも大きいでしょう。
任意売却のメリット
上記でご紹介した以外にも、任意売却にはメリットが複数あります。
ここでは、4つのメリットをご紹介します。
【任意売却のメリット】
①手持ち資金の持ち出しがない
不動産を売却する際には、本来さまざまな費用が必要です。
債権者との交渉次第では、これらの費用を売却金額から負担してもらうことが可能になるため資金を用意する必要がありません。
②債権者と交渉しなくてもよい
専門の不動産業者に依頼するため、債権者との交渉や協議を任せることができストレスを軽減できます。
③相談して売却価格を決めることができる
任意売却の場合は、不動産業者と相談のうえで売却価格を決めることが可能です。
ただし期限があるため、ある程度市場価格より低い価格で販売する必要があります。
④売却後も自宅に住む方法がある
リースバックの方法などを利用すれば、売却後も自宅に住むことが可能です。
ご興味のある方は、以下もご覧ください。
任意売却時の注意点
競売よりもメリットが多い任意売却ですが、注意点もあります。
ここでは、3つの注意点について解説します。
【任意売却の注意点】
①実績の多い不動産業者を選ぶ
任意売却は通常の不動産取引よりも、関係する法律の知識や経験が必要です。
そのため、任意売却に関する経験や実績が豊富な不動産業者を選ぶようにしましょう。
②早く売却活動を始める
任意売却は、競売の入札開始までにすべての手続きが完了している必要があります。
買主を早く見つけるためにも、任意売却を行うと決めたら速やかに行動するようにしましょう。
③信用情報に登録される
住宅ローンを滞納すると、信用情報機関に事故情報として登録されます。
登録されると5年間ほど、金融機関からの借り入れやクレジットカードの審査が通らなくなるため注意が必要です。
まとめ
執行官が調査に来たという方は、自宅が競売にかけられるまでの時間が残り少ないことを意味しています。
この時点で金融機関などの債権者に連絡をしても手遅れです。
しかし執行官が来た段階でも、残された日数を有効に使うことができれば競売を避けることは可能です。
競売を避けるため、早急に売却方法を検討しましょう。
任意売却は、競売よりも市場価格に近い金額で売却できるほか、メリットも多くあります。
任意売却を依頼する際は、経験や実績のある業者を慎重に選ぶようにしましょう。
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