「住宅ローンを滞納していたため、ついに家が競売にかけられそう……」
そのような状況に陥り、焦りを感じている方もいらっしゃるでしょう。
不動産の競売は、残債を一括で支払う・任意売却するなどの方法で取り下げられます。
しかし、そのようなお金の余裕がなかったり、手続き方法がわからなかったりする場合はどうすればよいのでしょうか?
この記事では、競売を取り下げる際に役立つ、任意売却について解説します。
任意売却の方法・期間・費用・成功させるポイントについてわかりやすくご紹介しているため、ぜひ最後までご覧になってください。
競売を取り下げる方法
競売を取り下げるには、残債を一括支払いするか、任意売却の手続きを完了させる必要があります。
しかし毎月の住宅ローンを支払えなかった方の場合、残債を一括払いすることは現実的にはほとんどあり得ません。
そのため、選択肢としては任意売却に絞られるといえるでしょう。
任意売却とは、金融機関の承諾を得て不動産を売却し、得た費用を補填に充てる方法をいいます。
期日内に任意売却手続きを終えれば、競売の取り下げが可能です。
基本的な競売の流れは以下のとおりで、住宅ローンやカードローンなどの滞納が長期にわたった場合に実施されます。
競売は債務者個人の希望で取り下げができないため、任意売却したい旨を伝えて債権者を説得し、競売取り下げの手続きをしてもらわなければなりません。
- 債権者から債務者へ、一括支払いを要求
- 一括支払いがされなかった場合、滞納されたぶんのお金を、保証会社が立て替えて支払う
- 裁判所へ、債権者もしくは保証会社が競売の申し立てを提出する
- 債務者の不動産へ現況調査が入る
- 期間入札通知書により、債務者へ競売の詳細が通達される
- 入札開始・落札者の決定
- 立ち退き
任意売却をすれば、競売にかけられるよりも、高い価格での売却が期待できます。
より高く売却できれば、競売されるよりも返済に充てられるお金が増えるため、今後の残債を少なくできる可能性があります。
任意売却ができるのは開札日の前日まで
ここまで確認して「競売より、任意売却を選びたい」と思った方も多いはずです。
しかし任意売却は、実質的には、競売の「開札日の前日」までしかできません。
法律的には落札者が代金を納入するまで可能なものの、開札後になると落札者・次順落札者を説得し、取り下げに同意してもらう必要があります。
お金を用意して競売で落札した物件をわざわざ手放すことに対して、難色を示す方も多いでしょう。
ここから、落札者が決まったあとの競売取り下げのハードルがいっそう高くなることは、イメージできるのではないでしょうか。
また、上記にくわえて任意売却の手続きには多くの時間がかかる点にも注意が必要です。
任意売却を成功させるには、以下の期間も考慮し、できるだけ早くに行動を起こす必要があります。
- 任意売却手続きをはじめることを債権者に納得してもらう(説得する)期間
- 任意売却手続き(購入希望者を募集・申し込みの受け付け・購入希望者の住宅ローンの審査・売買契約・決済日程の調整・決済)にかかる期間
住宅ローンを長期的に滞納すれば、債権者の心象は悪く、簡単に競売を取り下げられません。
さらに「任意売却のために動き出しても、競売の手続きが停止するわけではない」「家が売却されるまで、取り下げ書の提出はされない」といった点にも注意が必要です。
任意売却の手続きをするかを判断するタイムリミットは、現況調査前に届く「競売開始決定通知書」が到着するころというのが一般的です。
競売開始決定通知書が届いたあとは、任意売却の手続きが間に合わない可能性が高まるため、早めの判断が重要となります。
取り下げに必要な費用は競売の進行次第
任意売却によって競売を取り下げるときに、お金がかかる場合もあります。
手続きが進んでいなければ費用がかからない場合もありますが、手続きが進んでいれば、数十万円程度の費用がかかることも。
競売を取り下げるのにお金がかかるのは、申し立ての際に「予納金」という費用が発生しているためです。
予納金は現況調査手数料・売却手数料などに充てられるお金で、申し立ての時点で債権者が立て替えて支払っています。
裁判所によっては数十~100万円程度がかかることもあるものの、競売を取り下げれば、不要になった手続きぶんのお金は返還されます。
また競売の際には、予納金のほかに、申し立て手数料や郵便切手代・登録免許税といった費用も必要です。
申し立て手数料は担保権1個につき4,000円程度が相場となります。
さらに登録免許税として、不動産登記(差し押さえ登記)の際に、請求債権額の4/1,000円程度がかかるでしょう。
競売の取り下げは専門家へ相談するのがおすすめ
任意売却を成功させて競売を取り下げるのに重要なことは「早い段階で決断・対応できるか」という点です。
そのため、以下のポイントをおさえておきましょう。
- 早い段階で決断し、任意売却について手続きをはじめる
- 任意売却に関するノウハウを持った専門家へ相談し、交渉してもらう
どのような専門家でも時間がなければ対応できないため、早い段階で行動を起こすことが大切です。
たとえば、金融機関から催促状や督促状が届いた段階なら、時間に余裕をもって対応できるでしょう。
また相談する先は、任意売却を得意とする会社を選ぶのがおすすめです。
任意売却の際は金融機関と交渉する必要があり、専門的な知識が必要不可欠。
実績が豊富で、スムーズに任意売却を成功させられる専門家を見つけましょう。
とはいえ、どこへ相談すればよいのかわからず、気持ちが焦る方も多いはずです。
その場合は、一度「全国任意売却支援相談室(千里コンサルティングオフィス)株式会社」へ相談してみるのはいかがでしょうか。
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まとめ
家が競売にかけられそうになったときは「残債を一括で支払う」「任意売却をする」といった手続きにより、取り下げが可能です。
しかし一括支払いができるケースは少なく、任意売却を選ぶ場合が多くなっています。
任意売却は競売の開札日前日まで可能なものの、手続きには長い期間がかかるため、早い段階で判断・行動することが大切です。
早く行動を起こすことで、余裕をもって対応できるだけでなく、予納金による金銭的負担も少なくおさえられます。
この記事でご紹介したことを、ぜひ今後の判断にお役立てください。
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