「離婚したいけど、お金に不安がある・・・」という女性は少なくありません。別れたい一心で無計画に離婚すると、想定外の出費がかさんで離婚後の生活が苦しくなってしまうかもしれません。
子どもがおらず仕事をしている女性でも、離婚によってこれまで夫婦で負担していたお金を一人で負担するようになると、意外と大変な思いをするようです。専業主婦でお子さんがいる方なら、なおさらです。離婚してシングルマザーになると、経済的な負担が重くのしかかってきます。
後悔のない離婚をするには離婚準備こそが重要であり、離婚準備ではやはり「お金のこと」を中心に考えなければいけません。特に、専業主婦の方や子育て中の方は、離婚時にかかるお金や、離婚後の生活に要するお金についてきちんと把握しておきましょう。
離婚に必要な「離婚準備金」
離婚するときは、一般的に100万円~300万円の資金を準備しておくべきだと言われます。まずは、離婚に際して準備すべきお金の内訳を知っておきましょう。
01:離婚手続きにかかるお金
▼協議離婚ならゼロ円!?
夫婦の話し合いによる「協議離婚」であれば、お金は必要ありません。離婚届を作成して、役所に提出するだけで離婚が成立します。日本で離婚する夫婦は9割近くが協議離婚なので、ほとんどの方は無料で離婚手続きができるということです。
ただし、親権者や面会交流権に関する取り決め、慰謝料や養育費に関する取り決めをルーズにしたまま離婚すると、後にトラブルに発展してしまうことがあります。離婚が成立した後まで元夫を揉めたくないという方は、離婚協議書を公正証書で残しておくと安心です。公正証書を作成する際は、専門家への報酬として5万円~10万円ほどかかることは頭に入れておきましょう。
▼離婚調停・離婚裁判をすると高額に!
夫婦だけで離婚の話し合いがまとまらない場合は、離婚調停や離婚裁判に発展する可能性があります。その場合、調停・裁判の手数料や弁護士費用などが発生します。
離婚調停の手数料は数千円で足りますが、弁護士に依頼すると一般的に50万円~の報酬がかかります。離婚調停で決着がつかないと、離婚裁判に移行することになります。離婚裁判も手数料だけなら2万円程度で済みますが、通常は弁護士に依頼します。離婚裁判の弁護士費用は70万円~くらいは見ておいたほうがいいでしょう。
02:別居にともなうお金
離婚をすれば、通常は夫と別居することになります(離婚前でも、すでに別居している方もいるでしょう)。女性は実家に戻る方もいますが、実家に戻らない場合は賃貸で探すことになります。物件の賃貸借契約の際にかかる初期費用は敷金・礼金、保証金、仲介手数料、前家賃などで、一般的に家賃の5ヶ月分が目安とされます。
加えて、引越し業者に依頼する費用がかかりますし、足りない家具・家電は買い揃える必要がありますので、プラスで20万円~くらいは見ておいたほうがいいでしょう。
なお、マイホームがある場合、離婚後に元夫が出ていって元妻が住み続けるケースがあります。この場合は別居にともなうお金はかかりませんが、それとは別にクリアすべき問題が出てきます。離婚後、マイホームに住み続けたいという女性の方は、以下の記事を参考にしてください。
>> 離婚後、住宅ローンの残る家に妻が住むには?
03:当面の生活費
離婚準備として貯めておくべきお金には、当面の生活費も含まれます。当然ですが、離婚して元夫と別居することになれば、光熱費などの公共料金や保険料などはすべて自分で負担することになります。特に専業主婦の方は、仕事を見つけて給料が入ってくるまでの間に必要になる生活費は準備しておいたほうがいいでしょう。
04:保育料・教育費
子連れ離婚で、お子さんが未就学児の場合は保育料(保育園代・幼稚園代)が必要になります。専業主婦の場合、今はご自身でお子さんの世話をしていると思いますが、離婚してシングルマザーになると働き始めるので、お子さんを預けなければいけません。幼保無償化がスタートしますが、お子さんの年齢や金額など様々な条件がありますので、自分の場合、毎月どのくらいの保育料が必要なのかを計算しておきましょう。
また、お子さんが小中学生の場合でも、離婚によって転校することになれば制服や教材などでお金がかかってくるため、事前に確認しておきましょう。
まとめ:離婚に必要な「離婚準備金」はいくら?詳しく解説
離婚時に必要なお金を計算した結果、「そんなに用意できない・・・」と思うかもしれません。ですが、離婚時・離婚後には養育費や慰謝料など「夫からもらえるお金」もあります。離婚の原因や夫婦の収入・財産などによって金額は変わってきますが、もらえるお金はしっかり請求するようにしましょう。
離婚時・離婚後に夫からもらえるお金については、以下の記事を参考にしてください。
>> 離婚準備ガイド【妻向け】夫からもらえるお金とは?
また、離婚して母子家庭(シングルマザー)になったら、自治体の助成や税金の減免を受けることができます。離婚後、経済的な不安がある方は公的サポートについても調べておくといいでしょう。
母子家庭(シングルマザー)の助成制度などは、以下の記事を参考にしてください。
>> 離婚準備ガイド【妻向け】シングルマザーがもらえるお金・手当
この記事の監修者情報
- 監修者
- 斎藤 善徳(さいとう よしのり)
- 不動産業界歴
- 約20年
- 担当した任意売却数
- 200件以上
- 保持資格
- 宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
- 著書
- 運営会社:
- 千里コンサルティング株式会社
- 本社オフィス:
- 〒534-0021 大阪市都島区都島本通4-22-4 2階
- 電話番号:
- 06-6180-9111 FAX:06-6180-9177
- フリーダイヤル:
- 0120-15-2020
離婚準備ガイドの最新記事
-
2024/10/24
離婚後の家はどうする?住宅ローン返済や売却の選択肢と、その注意点について徹底解説します
全国任意売却支援相談室、千里コンサルティングオフィスです。 日本では、約3組に1組の夫婦が離婚を選択すると言われています。 離婚後
-
2024/1/30
共同名義の住宅ローンは危険?離婚後安心して自宅で暮らす3つの方法
「離婚後も共同名義のままにしておくとどんなリスクがあるの?」 住宅ローン借入当初は収入合算のため共同名義で借りたものの、やむを得ず離婚となった場
-
2023/10/24
熟年離婚における財産分与で押さえておきたいことは?不動産の分配方法もご紹介
熟年離婚時の財産分与では、分け合う必要がある財産が多いため話し合いが長引きやすいという特徴があります。 特に不動産は売却して現金化するか、一方がその