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失業したら住宅ローンはどうする?任意売却とリースバックを解説

2024/4/3住宅ローン

「失業してしまい住宅ローン返済ができなくなってしまった」

住宅ローンの延滞が続くと家は競売にかけられてしまいます。競売後の住宅ローン残債は一括弁済が必要で、返済できないと家を失うことに加え自己破産をせざるを得ない状況にも追い込まれてしまいます。

この最悪な事態を回避するためにも、失業が長期化し住宅ローンの滞納が続く可能性が高い場合には任意売却とリースバッグを早急に検討することが賢明といえるでしょう。

 

この記事では、一時的な失業の場合の対応も併せて解説していますのでぜひお読みください。

 

ローンの支払いに悩んでいる失業男性

失業し住宅ローンの延滞が続くと最終的に強制退去となってしまう

失業し住宅ローンを滞納してしまうと、金融機関は競売の準備を始めます。競売に出された家は、競売が申し立てられた裁判所で誰でも閲覧できる資料として置かれ、物件の詳細情報がインターネット上でも公開されます。

 

家の周辺では不動産会社や投資家が、物件の周辺状況を聞き回るため、家が競売に出されていることが近所にも知れ渡り、肩身の狭い思いをすることになるでしょう。

 

個人信用情報にも傷がつき(いわゆるブラックリスト)新規での借入がしにくくなるため、今後の生活にも影響します。最小限のダメージとするためには、住宅ローン延滞には早めの対応が必要です。

 

住宅ローン滞納し強制退去するまでのスケジュール

住宅ローン滞納初期から強制退去までのスケジュールは概ね以下の通りです。

 

延滞期間 内容
1~2ヵ月 金融機関から電話・督促状・催告書が届く
3~9ヵ月 期限の利益喪失通知が届き保証会社により代位弁済される

裁判所から競売開始決定通知が届く

10~15ヵ月 裁判所執行官が自宅の調査を開始する

裁判所から期間入札通知が届き競売が公告

期間入札開始

16~18ヵ月 開札され売却許可決定

競売代金が落札者より納付され所有権移転

強制退去

 

開札(入札された札を開けること)前までであれば、任意競売やリースバックの選択肢が残されています。現在の生活と家を守れるので早めの対処が必要なのです。

 

長期の失業で住宅ローン返済に困ったら売却をする 

長期の失業で住宅ローンの返済に困った場合、売却が有効です。売却には以下の2種類があります。

 

・通常売却⇨住宅ローン<売却金額で利用

・任意売却⇨住宅ローン>売却金額で利用

 

通常売却は「アンダーローン」と呼ばれ、売却後に利益が生じるため、引っ越し費用などに活用できます。一方、任意売却は「オーバーローン」と呼ばれ、売却後も住宅ローン残額が残ります。通常売却では、売却代金が住宅ローン残額を超えている場合、債権者は一括弁済を要求できない場合にのみ売却に応じます。

 

しかし、任意売却では、債権者(住宅ローンを借りている金融機関)の許可を得て、所有者の希望条件で一般市場で不動産を売却できます。住宅ローン残額があっても、債権者は抵当権を解除し、無担保債権とすることに同意します。通常売却と任意売却について詳しく見ていきましょう。

 

通常売却と任意売却の違い

通常売却と任意売却を比較すると以下の通りです。

 

通常売却 任意売却
売却金額 市場価格で売却できる 市場価格に近い価格で売却できる
残債 一括弁済 分割可能
周囲への影響 開示されない 開示されない
個人信用情報 影響なし 影響あり
引っ越し費用 交渉できない 交渉できる
引っ越しタイミング 自由に決められる 交渉できる

 

任意売却は、個人信用情報には影響するものの通常の売却と同様に進めていけるため周囲に経済事情が知られることもありません。任意売却を利用することで強制競売を回避でき、その後の生活の見通しが立ってくるのです。

 

任意売却のメリットとデメリットをまとめると以下の通りです。

 

<メリット>

・通常売却に近い価格で売却できる

・周囲に経済事情を知られずに売却できる

・契約日や引っ越し日の調整ができる

・残債の返済方法について金融機関と話し合える

 

<デメリット>

・金融機関の事故者情報に登録される

・債権者などの同意が必要になる

・成立しなければ競売にかけられる

・手間や費用がかかる

 

周囲に知られず、通常の売却のように進められ住宅ローン残債があっても抵当権を解除してもらえて残債については無理のない範囲で調整ができるというのが大きなメリットです。

 

売却とリースバックとの併用による効果

リースバックとは、自宅をリースバック事業者に売却し、家賃を支払うことでそのまま自宅に住み続けられる方法です。売却金を住宅ローン残債に充てることで債務が激減し、経済状況が改善した際には買い戻すことも可能です。

 

リースバックのメリット・デメリットをまとめると以下の通りです。

 

メリット

・退去を希望するまで更新できる

・まとまった資金を確保できる

 

デメリット

・賃貸期間が決まっている場合がある

・リースバッグ会社を自分で探す労力が必要

 

通常売却や任意売却とも併用できるため、リースバックは資金調達の手段として注目されています。

 

一時的な失業で住宅ローン返済に困った際の売却以外の対策3選

売却以外で一時的な失業をしてしまった場合の住宅ローン返済については以下3つの対策があります。

 

・失業手当関連の手続きをする

・金融機関に条件変更の相談をする

・弁護士や司法書士へ債務整理の相談をする

 

1つずつ解説していきます。

 

失業手当関連の手続きをする

失業手当は、失業期間中に「賃金日額(退職前の6ヶ月の賃金総額÷180日)」×「50~80%」が給付される保険制度です。令和5年8月1日現在の基本手当日額は以下の通り年齢区分ごとに上限が設定されています。

 

30歳未満 6,945円
30歳以上45歳未満 7,715円
45歳以上60歳未満 8,490円
60歳以上65歳未満 7,294円

参考:雇用保険の基本手当日額が変更になります|厚生労働省

 

賃金支給されるタイミングは自己退職の場合には約2~3ヵ月後、会社都合の場合には約7日後です。雇用保険の被保険者期間によって支給される期間も異なるので、ハローワークへ確認しましょう。

 

もう1つ住宅ローン特約で失業保証に加入し保証条件に適用していれば、失業期間中の住宅ローンが免責されます。カーディフ損保を取り扱っている楽天銀行を例にすると6ヵ月間住宅ローン返済相当金額が保証されます。

 

<失業補償内容>

・非自発的失業

・再就職まで1回につき最長6ヵ月、借入期間最長36ヵ月

・失業中の6ヵ月間が保証される

 

住宅ローンの失業補償特約に入っているか金融機関へ問い合わせしてみましょう。

 

金融機関へ条件変更の相談をする

条件変更は、返済条件を緩やかに変更することで、元金据え置きや返済期間を延ばすことを指します。メリットとデメリットは以下の通りです。

 

メリット

・自宅に住み続けられます

・元金据置や返済期限延長により資金繰りが緩和される

・条件変更中は、銀行も協力的なため法的な回収手段はとらない

 

デメリット

・返済可能であることを、自力で交渉する必要がある

・優遇金利がなくなる可能性や、金利が引き上げられる可能性がある

・条件変更前よりも総返済額は増える

 

滞納状態になってから相談しても遅いため、失業し返済が厳しくなるとわかった時点で早めの相談が必要です。遅くなると延滞が始まり、条件変更の交渉が難しくなります。

 

預貯金、現在の家計の収支、今後の収入見込みなどを提出し、返済能力があると判断されれば、元金の据え置きや支払期間の延長などの条件変更に応じてもらえます。金融機関は、毎月の返済を希望し、貸出した資金をできるだけ多く返済してもらいたいと考えています。勇気と根気が必要ですが、交渉してみましょう。

 

債務整理を弁護士や司法書士へ相談する

住宅ローン以外の高金利借入(カードローンやクレジットカードのリボ払いなど)がある場合は、債務整理を検討しましょう。家計を見直す際は、住宅ローン以外の返済も含めて見直すことで改善が図れます。

 

種類と特徴は以下の通りです。

 

内容や特徴 裁判所費用相場 弁護士費用相場
任意整理 利息のカット 不要 1社あたり約3万円
個人再生 大幅な借金減額が期待できる 20万円 20万円~50万円
自己破産 借金は0になる 3万円~5万円 30万円

 

個人再生と自己破産は法的手続きであり、裁判所費用が発生します。

一方、任意整理は、弁護士や司法書士が各金融機関と個別に調整するため、弁護士費用のみが発生します。

費用は分割支払いが可能なので、相談する際に返済条件を確認しましょう。

 

まとめ

失業し住宅ローン返済に悩んだら、任意売却とリースバッグを利用し少しでも住宅ローン残債を減らし今と同じ生活環境を維持できるよう早めの行動が必要です。

リースバックや任意売却といった手法があると把握しておけば、失業による住宅ローン滞納も回避できます。

任意売却を検討されているなら、任意売却専門のプロフェッショナルがいる全国任意売却支援相談室(千里コンサルティングオフィス)にご相談ください。最後までしっかりとサポートいたします。

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