実家売却においては、喪失感や罪悪感、時間と手間の多さなどにより、後悔する方も多いです。
しかし、持ち家を持っている方や固定資産税を支払う余裕のない方であれば、実家を相続した場合売却せざるを得ないでしょう。
実家売却においてなるべく後悔を減らしたい場合は、適切なタイミングでの売却や手順、売却時に発生する税金についてよく知っておくことが必要です。
本記事では実家売却ついてわかりやすく説明しているため、売却を検討している方はぜひ参考にしてください。
実家売却を後悔した事例
実家売却で後悔する原因は、愛着のある実家を売ってしまったと喪失感と罪悪感によるケースが多いです。
そのほか、売却のタイミングを間違えて利益があまり得られなかったり、時間や税金がかかったりしたことで損をしたと感じ後悔するケースもあるようです。
喪失感と罪悪感により後悔したケース
1つ目は、愛着のある実家を売却し、喪失感と罪悪感により後悔したケースです。
特に、両親から「家を残してほしい」と言われていた場合は、後悔する方が多いようです。
生まれ育った家に他方が住んでいることによる喪失感や、先祖もしくは両親から受け継いだ実家を自分の代で売却してしまうことによる罪悪感を覚えたりする方も多いでしょう。
実家を手放すことに抵抗がある場合は、宿泊施設や賃貸にする方法もおすすめです。
最近では古民家への宿泊や古民家を活かしたカフェなどもオープンしているため、築年数が経過した家でも需要があります。
売却のタイミングを間違えて後悔したケース
2つ目は、売却のタイミングを間違え、売却額が低くなったり税金が多くなったりして後悔するケースです。
家を売却する場合、譲渡所得に適用される3,000万円の特別控除や小規模宅地の特例、空き家の特例などが適用されますが、タイミングによっては適用されません。
そのため「あのとき知っていれば税金などを抑えられたのに」と後悔するケースがあるようです。
売却に時間がかかり後悔したケース
3つ目は、時間や手間がかかりすぎてしまったことに後悔するケースです。
実家売却は相続の手続きなどもあり、引き渡しまでにかかる時間がかなり長いです。
業者の選定や書類の準備なども必要で手間が多く、後悔するケースもあります。
売却に税金がかかり後悔したケース
4つ目は、売却に税金がかかって結果的に利益が低くなったことを後悔するケースです。
家の売却には仲介手数料がかかることはもちろんですが、譲渡所得が課税されます。
譲渡所得とは、土地や建物を譲渡したときに発生する所得税です。
収入金額から取得費(売った土地や建物の購入代金など)・譲渡費用(仲介費用や印紙税など)・特別控除額を引いた金額に課税されます。
また、税金に関しては譲渡所得税のほか、相続税・登録免許税・復興特別所得税・印紙税もかかります。
そのため、売却によって利益が出ても税金を支払うことにより、あまりプラスにならないかもしれません。
実家売却を後悔しないためのタイミング
タイミングによっては特例が適用されるなど、売却が有利になることがあります。
タイミングを間違えて後悔する前に、実家売却を後悔しないタイミングを知っておきましょう。
なお、実際に実家を売却した方の事例が知りたい方は「8年前のお客様からのご実家売却のご依頼」をご覧ください。
購入時より売却価格が高い場合は相続前がよい
実家の価格が購入時より高額になる場合は、相続前の売却がおすすめです。
実家を相続後に売却し、売却額が購入額より高額になると譲渡所得税がかかります。
相続前であれば、譲渡所得の特別控除が適用されるため、相続後よりも利益を残せます。
また、持ち主である父もしくは母が存命の場合は、相続前に売却することで譲渡所得の特別控除が適用されます。
譲渡所得の特別控除では3,000万円が控除されるため、売却物件の価格が高い場合に有効活用できるでしょう。
遺産総額が基礎控除を上回る場合は相続後がよい
遺産総額が基礎控除を上回る場合は、相続後の売却がおすすめです。
基礎控除は3,000万円+(600万円×法定相続人)で計算されます。
相続の際に相続税がかかるため、売却して現金を保有するよりも不動産のまま保有するのがおすすめです。
小規模宅地等の特例を活用し、相続税が軽減できる可能性があります。
参照元:国税庁 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)
後悔する前に知りたい実家売却の手順
実家を相続して売却する手順は以下の通りです。
1.相続登記
2.複数の業者による査定
3.必要書類の準備
4.本査定と売却価格の決定
5.仲介・売買契約の締結
6.引き渡しと登記
通常の売却であれば約3~6ヶ月で売却ができますが、相続に関する手続きも必要なため想像よりも時間がかかると考えましょう。
一方で、ローンが残っている場合は、任意売却が必要となるため、手順が異なります。
1.相続登記
2.専門家に任意売却の相談
3.債権者(金融機関)との話し合い
4.不動産業者による査定
5.必要書類の準備
6.本査定と売却価格の決定
7.仲介・売買契約の締結
8.引き渡しと登記
任意売却は債権者の同意が必要になり、その分時間がプラスされる点に注意しましょう。
債権者との話し合いから任意売却への合意までに1ヶ月〜3ヶ月程度かかる場合もあります。
後悔する前に知りたい実家売却にかかる税金
実家の売却時には、税金がかかり後悔するケースもあります。
「もっと利益が出るはずだったのに」と後悔しないためにも、売却時にかかる税金について知っておきましょう。
【相続後に実家を売却したときにかかる税金】
・相続税…遺産の総額から基礎控除を引いた部分に課税される。
・登録免許税…相続登記の手続きにかかる税金。不動産の固定資産評価額の0.4%が課税される。
・譲渡所得税…不動産売却による利益に課税される税金で、所得税と住民税の合算。不動産の保有期間が5年を超える場合は譲渡所得の20%、5年以内の場合は39%。
・復興特別所得税…東日本大震災の復興のための税金。所得の2.1%
・印紙税…契約書の作成にかかる税金。契約書に記載されている金額によって税額が変わる。500万円以下の場合は1,000円、1,000万円以下の場合は5,000円、5,000万円以下の場合は10,000円、1億円以下の場合は30,000円。
まとめ
実家売却は、愛着があることで後悔するケースもあれば、売却による利益があまり得られなかったり、時間や手間がかかったりしたことに関して後悔するケースもあるようです。
実家に愛着があって後悔する場合は、宿泊施設や賃貸として活用してもよいでしょう。
手間や利益で後悔しないためには、適切なタイミングを見極め、あらかじめ何をする必要があるのか知っておくとよいかもしれません。
ただし、実家にローンがある場合は要注意です。
実家を相続するとローンを支払う必要があるため、持ち家を持っている場合や実家のローンを払いきれない場合は任意売却の検討もおすすめします。
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