強制競売とは「公文書(債務名義)によって実行される競売」のことをいいます。
通常の競売と異なり、抵当権を持たない債権者でも、債務者の不動産を競売にかけることが可能です。
この記事では、強制競売について・強制競売の流れ・強制競売への対策方法をわかりやすく解説します。
最後まで読めば、強制競売に対して今できることがわかるようになっているため、ぜひひととおりチェックしてください。
強制競売とは?競売・担保不動産競売との違い
強制競売とは、抵当権ではなく、債務名義によって実施される競売のことです。
債務名義というのは、債権者名・債務者名のほか、給付請求権の存在・範囲などを表記した公の文書をいいます。
たとえば、確定判決や支払い督促・公正証書・和解調書などが該当します。
つまり強制競売をもう少し掘り下げていうと「抵当権を持たない債権者が、債務を回収するため、公式な書類をもってして債務者の所有する不動産を競売にかける行為」のことです。
債権者が「残債の支払いが期待できない」と判断したとき、競売により資金を回収し、充当するために実施します。
また強制競売について、「競売」や「担保不動産競売」となにが異なるのかとお思いになる方も多いのではないでしょうか。
競売と担保不動産競売は、基本的に同じものを指します。
強制競売と通常の競売で異なるのは「通常の競売では抵当権によって競売を実施するが、強制競売では抵当権がないため、債務名義を用いる」という点です。
強制競売の流れ
強制競売は以下のとおり手続きされ、実行されます。
- 債権者から債務者へ、督促状や催告状が郵送される
- 支払いが確認されなかった場合、強制競売の申し立てをする
- 債務者へ競売開始決定通知が届く
- 執行官・鑑定士による、不動産への現況調査
- 配当要求終期の告知・入札~開札(落札者の決定)
- 売却許可決定がされ、落札者により代金が納付される
- 引き渡し命令が出る
- 引き渡し・立ち退き・強制退去
債務者の立場で見れば、競売と強制競売の流れに大きな違いはありません。
もし「強制競売に納得できない」として退去せずにいた場合でも、簡易的な手続きで引き渡し命令が発行されるため、強制的に退去させられてしまいます。
強制競売を受けないために|2つの対策方法
「強制競売にかけられて家を失うのは、なんとしても避けたい」とお思いになる方がほとんどではないでしょうか。
競売・強制競売を受けないためには、停滞なく債務を支払うほか、2つの対策を講じておくこともできます。
強制競売にならないため有効な「債務整理」「任意売却」のそれぞれをご紹介するため、ひととおりチェックしておきましょう。
債務整理をしておく
債務整理とは借金を整理するための手続きのことをいい、手続き方法により3種類にわけられます。
裁判外で手続きする「任意整理」のほか、裁判により手続きする「個人再生(個人民事再生)」と「自己破産」があり、それぞれ以下の違いがあります。
手続きの場所 | 裁判外手続き | 裁判手続き | |
種類 | 任意整理 | 自己破産 | 個人再生 |
内容 | 返済条件を和らげることを目的に、弁護士が債権者と交渉する | 債務者の財産を処分してお金に換え、そのお金を債権者に分配し、足りないぶんは免除してもらう | 債務を減額したうえで、残債を分割して支払う |
メリット | ●法的な制限が少なく、柔軟に手続きができる
●裁判所の調査が入ったり、住居の制限を受けたりしない |
●お金が足りなかったぶんの債務の支払い義務が免責される
●自己破産の手続きをはじめると、債権者は取り立て・訴訟・給料の差し押さえなどができなくなる |
●自己破産のように、財産を処分せずに済む
●住宅ローンが残っていても自宅を処分せずに済む ●債務を大幅に減額したうえで、3~5年といった長期の分割払いにできる場合がある |
デメリット | ●信用情報に事故情報として登録される
●裁判手続きではないため、法的な強制力がない |
●信用情報に事故情報として登録される
●官報に公告されたり、市町村役場へ通知されたりする可能性がある ●生活必需品以外を処分しなければならない |
●信用情報に事故情報として登録される
●官報に公告される ●手続きを自身でする必要がある ●要件が厳しく、利用できない場合がある |
事前にひととおりチェックし、対策方法のひとつとして覚えておきましょう。
また自己破産・個人再生といった裁判手続きを検討する際は、手続きの依頼先も事前に検討しておくと、落ち着いて対応できます。
任意売却をする
「競売対策をする時点で裁判沙汰になるのは、抵抗感がある」と思った方も多いはずです。
そこで利用する方の多い対策方法が、任意売却です。
任意売却とは、債権者の承諾を得て不動産を売却し、得たお金を残債の支払いに充てる方法をいいます。
一般的に、競売よりも高い価格で売却できることが多いのが特徴です。
回収できる金額が増えるため債権者側にとってもメリットがあり、多少の融通を聞いてもらえる可能性もあります。
ただし、任意売却をするなら、債権者との交渉を成功させなければなりません。
交渉をスムーズに進めるためには、自身で臨むのではなく、実績が豊富にある不動産会社へ依頼することがポイントとなります。
任意売却の準備をする間も競売手続きはストップしないため、時間との勝負になる点に注意しましょう。
もし任意売却を検討するなら、任意売却の実績が豊富・手厚いアフターフォローが特徴の「全国任意売却支援相談室(千里コンサルティングオフィス)株式会社」へご相談ください。
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全国に対応しているため、気になる場合はぜひ「全国任意売却支援相談室(千里コンサルティングオフィス)株式会社」からチェックしてください。
まとめ
強制競売とは、債務名義によって実施される競売のことをいいます。
通常の「競売」と異なり、抵当権を持たない債権者によって、公文書のもと実行されるのが特徴です。
強制競売への対策方法には、債務を滞納しないことのほか「債務整理をする」「任意売却をする」などがあります。
しかし裁判が関係する場合も多い「債務整理」や、債権者との交渉が必要な「任意売却」は、いずれも専門知識が必要です。
そのため、早めに専門家へ相談しておくと安心です。
この記事でご紹介した情報を把握しておき、後悔せずに済むよう対策しておきましょう。
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