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財産分与に退職金は含まれるのか?|熟年離婚時の分け方や注意点も解説!

2022/11/1離婚

離婚する際には、共に築いた財産を分ける「財産分与」ができます。 

熟年離婚になると婚姻期間も長くなるため、財産分与の対象になる資産の種類も多くなります。 

 

しかし「どの財産が対象になるのかが分からない」という方も、多いのではないでしょうか。 

「財産分与」は、金額も高額であることが多いため離婚時にもめるケースも多く見られます。 

 

この記事では「財産分与の仕組み」や「退職金の財産分与」について、わかりやすく解説します。

 「退職金の財産分与」を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

財産分与

 

財産分与とは

 

財産分与とは婚姻中に夫婦が協力して築いた財産を、離婚の際に分配する制度です。

 

法律(民法第768条1項)でも離婚の際「相手方に対して財産の分与を請求することができる」と定められています。

そのため、収入がない専業主婦の方でも請求が可能です。

 

本来もらえるはずの財産をもらわずに離婚してしまわないように、離婚の際は財産分与について話し合い、しっかり取り決めをするようにしましょう。

 

財産分与の3つの種類

 

離婚の際に請求できる財産分与は、大きく「清算的財産分与」「扶養的財産分与」「慰謝料的財産分与」の3つに分けられます。

 

それぞれの方法について、ご説明します。

 

【財産分与の方法】

名称 内容
清算的財産分与
  • 夫婦が婚姻中に共同で築いた財産を公平に分け合う
扶養的財産分与
  • 離婚後、配偶者の生活が苦しくなると見込まれる場合、扶養するために行う
  • 生活を支援するために、一定額を定期的に支払う
慰謝料的財産分与
  • 不倫やDVなど離婚原因を作り出した側が、慰謝料の要素を含めて行う
  • 金銭以外も請求できる

 

一般的に財産分与といわれるのは「清算的財産分与」で、離婚の理由には左右されません。

さらに、どちら側からでも財産分与の請求が可能です。

 

財産分与の対象になる財産

 

財産分与の対象になるのは、婚姻中に築いた財産です。

そのため、どちらかの名義であったとしても、夫婦で協力して築き維持した財産は「共有財産」といい、財産分与の対象になります。

 

具体的な財産の種類は以下になります。

 

・現金・預貯金

・不動産(家・マンション・土地など)

・車

・有価証券・投資信託

・保険解約返戻金

・退職金

・年金

・家具・家電

・美術品・貴金属など

 

ただし相続によって取得した不動産や現金などの遺産、結婚前に一方が所有していた財産は「特有財産」になり、財産分与の対象になりません。

 

財産分与の対象にならない財産

 

先ほどとは反対に、財産分与の対象とならない財産は「特有財産」といい、夫婦で協力せずに得た財産などになります。

具体的には「結婚前に貯めていた預貯金」「親から相続した財産」「別居後に取得した財産」などがあります。

 

ただし特有財産に当てはまる場合でも、夫婦の協力で財産の価値が保たれていたり増加したりしたなどの場合は財産分与の対象に含まれる可能性があります。

 

熟年離婚する場合の退職金の財産分与

 

退職金は賃金の後払いと考えられ婚姻中に形成した財産となるため、財産分与の対象となります。

ここでは退職金が支払われている場合と支払われていない場合の2つのパターンを解説していきます。

 

財産分与の際の注意点も解説しますので、参考にしてください。

 

退職後に離婚し退職金が支払われている場合

 

すでに退職金が支払われている場合は預貯金と同じ扱いになりますが、全額が財産分与の対象ではありません。

財産分与は婚姻期間に築いた財産を分ける制度になるため、婚姻期間中の勤続年数に応じて割合が決まります。

 

そのため、2分の1の割合で財産分与されるとは限らないので注意が必要です。

また退職金が支払われている場合は、手元に残っている金額分しか財産分与ができません。

 

相手が使い込む心配がある場合は、裁判所で「仮差押え」の手続きをするのもおすすめです。

 

退職前に離婚し退職金が支払われていない場合

 

退職金が支払われていない場合でも、婚姻期間中の勤続年数を計算し財産分与の対象にすることが可能です。

ただし退職までに会社が倒産する可能性が高い場合や退職金が支払われない可能性が高い場合は、財産分与の対象にならないことがあります。

 

そのため、退職時期や退職金制度を確認して判断していくとよいでしょう。

 

退職金を財産分与する場合の注意点

 

財産分与の対象となる退職金ですが、注意点もあります。

 

夫婦共働きで相手より自身の退職金が多くなる場合です。この場合は、手元に残る金額が少なくなってしまうため財産分与の対象に含めないほうがよいでしょう。

 

また別居していた場合、別居期間中に形成された退職金は対象に含まれないため注意しましょう。

 

そのほか退職金の財産分与に関する疑問

 

そのほか退職金の財産分与において、トラブルに発展しやすい点や疑問点についてご紹介します。

 

財産分与をした退職金はすぐに受け取れる?

 

財産分与の取り決めの際、支払期限を早くに設定していれば、取り決め後すぐにでも受け取ることが可能です。

また裁判で財産分与が決まった段階で、財産分与した分の退職金を受け取ることができます。

 

もし支払われない場合は、相手の財産を差し押さえるなどで回収する強制執行という手続きをするようにしましょう。

 

共働きの場合は退職金をどのように財産分与したらよいか?

 

夫婦共働きの場合でも、退職金の財産分与は可能です。

専業主婦の家庭と同じように婚姻期間中の勤続年数をもとに、財産分与の対称になる金額を計算します。

 

夫婦どちらにも退職金がある場合は、お互いの退職金の財産分与対象額を計算して合算し分け合うことになります。

 

相手が退職金の財産分与を拒否している場合はどうすればよい?

 

取り決めの際、相手が退職金の財産分与を拒否してくる場合があります。

 

しかし財産分与は法律で認められた制度ですので、拒否された場合は「離婚調停」の手続きをしましょう。

調停になると、夫婦で直接話し合うのではなく調停委員が仲介に入り話し合います。

 

調停でも相手が拒否している場合は「離婚裁判」になります。

裁判所で財産分与が認められたら、相手が拒んでいても財産分与が可能です。

 

まとめ

 

財産分与の取り決めの際は、どのような財産が対象になるのかを、しっかり理解したうえで交渉することが重要です。

知らずに交渉を進めてしまうと損をすることになりかねません。

 

しかし、離婚時の話し合いは感情的になってしまうことも多く冷静に話し合うことは難しいでしょう。

その際は専門的な知識を持つ第三者を交えて話し合うことをおすすめします。

 

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弁護士による相談も無料です。

 

「退職金などの財産分与」でお悩みの方は「全国任意売却支援相談室(千里コンサルティングオフィス)株式会社」まで、お気軽にご相談ください。

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