「まとまった資金を得るために自宅を売却したいが、住み慣れた家を離れたくない」
とお考えの方におすすめしたいのが、リースバックです。
リースバックを利用すれば、自宅を売却後も家賃を払い続けることで賃貸として住み続けられます。
ただし、リースバック後の家賃は相場より高くなることが多いため、その計算方法や決め方について、自宅の買取価格とともに確認しておくとよいでしょう。
本記事では、リースバックを利用するメリットとデメリットについてもご紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
リースバックを利用した場合の買取相場はどのくらい?
リースバックを利用するにあたって、自宅がいくらぐらいで売れるのか気になる方は多いでしょう。
リースバックの相場は、一般的な不動産売買の場合よりも安くなります。
もちろん築年数や立地条件などによって変わりますが、市場価格の70~90%程度がリースバックの相場と言われています。
リースバックの買取価格を決める際のポイントは「不動産の価値」と「値下がりのリスク」です。
人気の都市部にある不動産は高値で取引される可能性が高い傾向です。
ただし、築年数については、ある程度経過しているほうが「今後の下落リスクが低い」と判断され、高く評価されるケースが見られます。
リースバックにおける家賃相場は?計算方法と決め方の仕組みについて
リースバックでは「自宅がいくらで売れるか」のほかにも「いくらの家賃で住み続けられるか」も重要なポイントです。
リースバックの賃料相場は買取価格の7~13%程度といわれていますが、買取価格によって大幅に変わる可能性があります。
リースバックにおける家賃の決め方について、計算方法や仕組みを確認しましょう。
【計算方法】買取価格と期待利回りから決定する
リースバックにおいて家賃を決定する際「買取価格」と「期待利回り」の影響を受けます。
基本的には「不動産の買取価格×期待利回り÷12カ月」の計算式で家賃が算出されます。
「期待利回り」とは「年間収益の期待値」のことであり、買い手が十分な家賃収入を得られるために設定されるものです。
不動産の条件がよく買取価格が高ければ、期待利回りは低めに設定されます。
【決め方の仕組み】相場より家賃が高くなる理由
リースバックで家賃が相場より高くなるのは、その決め方が関係しています。
通常の賃貸物件は周辺相場を参考にして家賃を決めますが、リースバックの場合は周辺相場に関係なく家賃が決められます。
たとえば、住宅ローンの残高が多い不動産だと抵当権を抹消するために売却したお金で住宅ローンを一括返済しなければなりません。
そのため、売却価格を高めに設定する必要があり、家賃も高くなるわけです。
また、買い取った不動産を自由に売買できないことや、税金の支払い負担が生じることなど、買い手にとって不利な点があることも、家賃を高く設定する理由です。
リースバックを利用するメリット
リースバックを利用した場合の不動産価格や家賃相場が確認できたところで、リースバックのメリットもチェックしておきましょう。
以下のコラムでもリースバックのメリットや活用事例などをご紹介しています。
ぜひご覧ください。
「リースバックの仕組み|メリット・活用事例・成功のためのポイント解説」
売却後も自宅に住み続けられる
リースバックを利用する最大のメリットは、自宅を売却した後もそのまま住み続けられる点です。
長年住み慣れた家から出て新しい生活を始めることで、ストレスを感じる方もいらっしゃるでしょう。
リースバックならそのような心配をせずに済むことはもちろん、新居探しや引っ越しの手間もかかりません。
家の維持費が不要になる
家を所有していると固定資産税や都市計画税・修繕費などの維持費が必要です。
リースバックを利用して賃貸として住むようになれば、こうした維持費は自分で支払わずに済みます。
経年劣化によって設備が故障し、修繕や交換が必要になった場合の費用も、家の所有者である貸し手の負担となるわけです。
将来的に買い戻せる可能性がある
契約時に「買い戻し特約」を付けることで、将来的に自宅を再度購入できる可能性があります。
資金に余裕ができたときに買い戻せる可能性があると思えば、愛着のある家の売却を受け入れやすくなるのではないでしょうか。
親族による買い戻しも可能なため、子どもがローンを組める年齢になってから子どもの名義で買い戻す方法もあります。
リースバックを利用するデメリット
リースバックは家賃が相場より高くなること以外にも、いくつかデメリットがあります。
利用を検討する前に確認しておきましょう。
所有権が変わる
リースバックを利用すれば今まで通り自宅に住み続けられますが、不動産の所有権は自分のものでなくなってしまいます。
「自分の家でなくなる」ことに抵抗がある方にとってはデメリットになるでしょう。
所有権を失うことで相続できなくなるなどの問題点が出てくるようなら、買い戻しについても考えておくことをおすすめします。
オーバーローンの状態だと利用できない
自宅を売却しても住宅ローンを完済できない状態のことを「オーバーローン」と言います。
この場合は抵当権を抹消できないため、リースバックは利用できません。
ただし、不足分を自己資金で補える場合などは利用することが可能です。
また、任意売却した後にリースバックするケースもあります。
この方法を選択する場合は、任意売却物件も取り扱ってくれるリースバック会社を探しましょう。
借りられる期間に限りがある場合も
リースバックでは定期借家契約を結ぶことが多いため、その期間内である2~3年しか今の家に住めない可能性があります。
これは、不動産の価値が低下して高く売却できなくなることを防ぐ目的があるからです。
場合によっては再契約できることもあるため、どのような契約内容になっているか事前によく確認しておきましょう。
まとめ
リースバックを利用した場合の不動産の買取相場や家賃の計算方法とともに、リースバックのメリットとデメリットをご紹介しました。
リースバックは、すぐにまとまった現金がほしい方におすすめの制度です。
利用するにあたって、自宅をいくらで買取してもらえるのか、賃貸として住む際の家賃はいくらぐらいになるのか、事前に確認しておく必要があります。
特に家賃については、相場より高くなる可能性が高いため、そのことを踏まえた上で慎重に検討するとよいでしょう。
万が一住宅ローンが残っていて自宅を売却しても一括返済できない場合は、任意売却することでリースバックを利用できます。
任意売却については、「全国任意売却支援相談室(千里コンサルティングオフィス)」までご相談ください。
任意売却のプロが、無料相談からアフターフォローまで親身になってサポートいたします。
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